タムロンのレンズがソニーユーザーに人気の理由
タムロンはソニーミラーレスユーザーの救世主か?
いま、レンズメーカーで最も注目しているのがタムロンだ。
ミラーレスでダントツの人気を誇るソニーのEマウント用レンズを次々と発表し、そのどれもがソニーユーザーには魅力的な内容となっているためだ。
タムロンのEマウントレンズといえば、2018年4月、ソニーの安くて高性能なフルサイズカメラα7Ⅲの発売に歩調を合わせて発売した標準ズーム「28-75mm F/2.8 Di III RXD」が代表作といえます。
F値2.8の明るい大三元レンズにもかかわらず、10万円前後という安価だったために発売直後から大人気となったのはまだ記憶に新しいところです。
ソニーα7Ⅲの人気は、1年半以上たった現在も衰えず、今年10月上半期(10月1日〜15日)のヨドバシカメラ売れ筋ランキングでトップに返り咲き、多くのカメラファンを驚かせました。(参考:CAPA CAMERA NEWS)
- 第1位 ソニー α7 III レンズキット
- 第2位 ソニー α7 III
- 第3位 ソニー α7R IV
- 第4位 ニコン D850
- 第5位 キヤノン EOS 90D ボディ+EF-S 18-135 IS USM
- 第6位 キヤノン EOS Kiss X9iダブルズームキット
- 第7位 ソニー α6400 ダブルズームレンズキット
- 第8位 ニコン Z6 24-70+FTZマウントアダプターキット
- 第9位 ニコン D5600ダブルズームキット
- 第10位 キヤノン EOS R
近年のソニーミラーレスの人気は凄まじいものがありますが、一方でソニーユーザーが直面するのは純正GMレンズが重くて大きいという点です。しかも高額です。
シグマもEマウントレンズを発売していますが、これもまた総じて大きくて重い。
その間隙を突くように、タムロンは「28-75mm F/2.8 Di III RXD」に続いて、大三元広角ズーム「17-28mm F/2.8 Di III RXD」も発売し、これがまた売れているというタムロン現象が進行しています。
軽くて扱いやすいタムロンの大三元レンズはソニー純正の半値以下
タムロンのEマウントレンズが人気なのは、そのサイズ感と価格が消費者に歓迎されているためです。
レンズ | 価格(価格.com最安値) | 重さ |
タムロン28-75mm F/2.8 Di III RXD | ¥81,266 | 550g |
ソニーFE 24-70mm F2.8 GM | ¥216,000 | 886g |
タムロン17-28mm F/2.8 Di III RXD | ¥98,980 | 420g |
ソニーFE 16-35mm F2.8 GM | ¥229,916 | 680g |
上記の比較表のように、一目瞭然です。
ソニーの大三元レンズは20万円超えなのに対し、タムロンはソニーの半値以下。しかも、レンズ重量も軽量ですから、画質に大きな差がなければ、手を出したくなるのは当然です。
ただ、軽量化のトレードオフとして、タムロンの標準ズームは28㎜スタートで、24㎜スタートのソニーより狭めです。広角ズームもまたタムロンが17㎜から始まり、テレ端が28㎜まで。ソニーのGMレンズ(16-35mm)に比べてズーム倍率が小さめです。
一方、タムロンが優れている点もあります。
最短撮影距離が「17-28mm F/2.8 Di III RXD」の広角端で0.19m。ソニーは0.28mなので、とても寄れるレンズだという点です。
広角端で19センチまで寄れれば、被写体をより大きく撮影でき、しかも美しい背景ボケも期待できます。
タムロンの広角ズームは軽量で寄れて安価なので、私も欲しいレンズの1本です。
タムロンがEマウント用に小型軽量な単焦点レンズも発売へ
タムロン単焦点は軽くて安くて寄れるレンズ
最近のタムロンはソニーのユーザーが何を求めているのか、察知するセンスが素晴らしいと感じることがあります。
今回、タムロンはズームレンズに続いて、安くて軽くて被写体に寄れるEマウント用の単勝レンズを発表しました。
それが以下の3機種でサイズはほぼ一緒で、写真では見分けがつかないほどよく似ています。
最短撮影距離 | 重さ | |
20mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F050) | 0.11m | 220 g |
24mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F051) | 0.12m | 215g |
35mm F/2.8 Di III OSD M1:2(Model F053) | 0.15m | 210g |
この3機種はフィルター径が前述したEマウント用大三元ズームレンズと共通の67mm。
レンズのフィルター径を共通化することで、PLフィルターやNDフィルターを最小限に減らすことができ、撮影時の煩わしさを軽減し、より機動的な撮影を後押ししています。
F値2.8は単焦点レンズとしては決して明るいとはいえませんが、F値を明るくすればレンズが巨大化します。
F値とサイズや重さはトレードオフの関係ですが、散歩やスナップ用レンズと考えれば、今回、F値を2.8に抑えて軽量化に舵を切ったのは正解だったと思います。
まずい。書いているうちに、私も単焦点が欲しくなってきました。
タムロン単焦点は発売当初から税込み3万円台の安さ
画質はタムロン公式サイトで確認して欲しいのですが、作例はどれも素晴らしい写りとなっています。(20㎜単焦点の作例:タムロン公式サイト)
価格は、3本とも希望小売価格が46,000円(税抜)です。税込みだと5万円余り。
しかし、市場価格はすでに価格.com最安値が税込み3万7620円となっており、発売前から4万円を切る安さです。
単焦点レンズを3本購入しても10万円余りで間に合う計算となります。
フルサイズ用のレンズは高額なため、ボディが安価で軽量でも、レンズの価格や重さを考えると、尻込みしてしまう人は少なくありません。
確かにフォトウォークやスナップ撮影に1本20〜30万円の高額なレンズを何本も使用するのは、冷静に考えると正気の沙汰ではありません。
その意味では、タムロンレンズはフルサイズ価格に麻痺したユーザーや高くて重いレンズに抵抗感のあるユーザーにとっては、冷静さと安心感を与える商品だともいえます。
24㎜と35㎜は2019年12月5日に発売。20㎜は来年1月ごろの発売予定となっています。これは売れそうなレンズです。