PENTAXのデジタル一眼レフ・K100D Superは本当に名機かもしれない!1億画素時代になっても600万画素のCCDセンサーは貴重なのだ(作例あり)

スナップ
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魅力的なデジタル一眼レフを探す旅に出発した!

2007年発売「PENTAX K100D Super」が”新機種”である理由

私は1980年代、フィルムカメラ(Nikon F3)を仕事道具にしていた。1980年代末、その仕事から離れ、以来、カメラに触ることはほぼなかった。

趣味でカメラを再開したのが2010年代半ば。つまり、1990年から2010年まで、ほぼ20年間以上は空白なのだ。それゆえ、空白の20年間に発売されたカメラはどれも新鮮だ。

最近、高額で高性能なカメラが次々発売されているが、いまの私にとってソニーαRⅢかα7Ⅲの機能や性能で必要十分以上。AFが正確かつ迅速で旅行や私事の撮影には十分間に合っている。

そのためか、新機種を追いかける気分にもならず、散財はライカやその純正レンズが中心だったわけだが、それもほぼ終わりに近づいた。

そして、新たな方向に歩み出した。デジタル一眼レフの世界だ。

私はフィルムカメラとミラーレスしか所有したことがない。空白の20年間に主流だったデジタル一眼レフは未知の分野だ。ミラーレス主流の現在、デジイチは古くさいカメラかもしれないが、私にとって極めて”新鮮なカメラ”なのだ。

どの機種がいいか探していたところ、YouTubeで若き写真家OZEKIKOKIさん(日本写真家協会2019JPS展文部科学大臣賞)が「PENTAX K100D Superは隠れた名機」と話していた。百聞は一見にしかず。早速、取り寄せた。

標準ズーム付きで8000円台。この安さが古いデジイチの魅力でもある。

貴重なCCDセンサーこそ最新機種には手が届かない性能だ

PENTAXが2007年に発売したデジタル一眼レフの入門機「K100D Super」。有効画素数610万画素のAPS-Cセンサーだ。フジフイルムの中判GFX100Sが1億画素だとか、SONYのフルサイズαRⅣが6000万画素だという時代に、心許ないような画素数だ。

しかし、K100D Superは最新の高画素機が背伸びしても持ち得ないセンサーを備えている。色塗りの良さ・鮮やかさで、いまなお、多くのファンが愛してやまないCCDだ。

最近のカメラは安価で消費電力に勝るCMOSセンサーばかりだ。一方、2000年代に主流だったCCDセンサーは高価で消費電力も劣るが、画質はとても良いとされる。

CCDセンサーについては、以前、Leica M9-Pの作例で紹介したが、実に素晴らしい写真を量産してくれている。いまや、一生手放すことがないであろう、大切な愛機だ。

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ただ、M9-PのCCDはコダック製なのに対し、K100D SupeはSONY製。「どんな違いあるのか?一度、使ってみたい」。俄然、私の好奇心に火がついた。

もうひとつ、特筆すべきことがある。

14年前のデジイチにもかかわらず、ボディ内手振れ補正が3.5段分備わっている点だ。当時のNikon機はレンズ内手振れ補正だから、そこがK100D Superの特徴でもある。

最近はボディ内手振れ補正が主流になっている。K100D Superの先見性は素晴らしい。

M型ライカやコンデジに匹敵する軽量コンパクトなボディ

私にとって、カメラはスナップ用途なので、小型軽量かどうか、そのサイズ感が最も重要だ。「サイズ感こそ、最大のスペックだ」とも考えている。

そこでK100D SuperをライカM10-PやフジフイルムのX100Vと比較してみた。

Leica M10-P safari(左)、K100D Super(右)

X100V(左)、K100D Super(右)

K100D Superは一眼レフなので、高さはどうしようもないが、幅はM10-PやX100Vと変わらないサイズ感だ。

そして、次は重量だ。

K100D Superのボディ重量は570g。35㎜単焦点レンズ(フルサイズ換算約50㎜)をつけて815g。18-55㎜標準ズーム装着でも917gと、1kgを下回った。

スナップ機材としてサイズ・重量ともに合格だ。身体検査を済ませたあと、K100D Superを持ち出した。行き先は私の好きな東京・北青山、冬の神宮外苑である。

1万円以内で買えるデジイチには高級ミラーレスにない世界と面白さがある

東京・北青山に漂う春の予感!レンズ込み9000円の描写に遊び心が踊った

この週末、東京・青山に用事ができた。「それなら、空いた時間にスナップができる」と、K100D Superをカバンに入れていた。撮影スタートは午後4時過ぎ、日が傾いていた。

スナップ時間は約30分。いつもより、はるかに短い撮影時間だったが、シャッターを切った瞬間の小気味良い音、しかも何もかもが高級な街で9000円のカメラと戯れる楽しさ。。。K100D Superは貴重な時間と気分を与えてくれた。

CCDセンサーらしいこってりとした色塗りの良さ。特に原色は美しく映し出す。

現代カメラでは極小な600万画素でも遠くの枝の描写は繊細だ。ボディ内手振れ補正が効いているのか、撮れ高は極めて高かった。

さほど期待していなかったのだが、意外にグラデーションも良かった。

冬の夕陽の柔らかさや優しさ、そして木の枝の陰影を詳細に再現してくれた。

もちろん、オートフォーカスは使える。合焦性能には期待していなかったが、面白いようにピントを合わせてくれた。

銀杏並木通りにある自販機。CCDセンサーらしい鮮やかな色再現ではないか。

冬の夕方は急激に冷え込む。真っ暗になる前に駐車場に向かった。

街灯や車のライトがともり始めた。

実に楽しいスナップだった。と同時に、道ゆく人たちの多さや表情から「コロナ収束への期待」を強く感じた。この街の空気感を記録することこそ、スナップの大切な意義だと思っている。

撮影:PENTAX K100D Super+SMC DA 18-55mm f3.5-5.6 AL

撮影補助:さきょう

撮影を終えて感じたこと

今回、ご紹介したPENTAX K100D Supeは、現代カメラのように撮影前に白黒変換するフィルムシミュレーションが搭載されていない(白黒のフィルター設定はあるようだが)。ただ、Lightroomなど編集ソフトで変換すれば、問題はない。こんな感じだ。

今回はRAWで撮影して明るさだけを調整した。全体的にフィルムのような写りにも感じた。

繰り返すが、PENTAX K100D Superは2007年に発売された廃盤カメラだ。しかも、撮影に使用したレンズはF3.5始まりのキットレンズ(SMC DA 18-55mm f3.5-5.6 AL)である。

いまどきのカメラと違ってライブビューではないから、出来上がる写真を想像しなからシャッターを切らなければいけない。AFも決して早いとは言えない。暗所性能も心許ない。最近の機種に比べたら、あらゆる点で性能スペックは劣っている。しかし、撮影中の、あの楽しさはどこからきたのだろうか?

期待値が低かった分、「おいおい、君はなかなかやるじゃないか」という驚きが、いつものスナップ撮影とは異なる刺激になったのかもしれない。

車がマニュアル(MT)操作からAT、そして自動運転に進化しつつあるように、カメラもまた、MF(マニュアルファーカス)からAF(オートフォーカス)、そしてAIが被写体を見極め・分類・分析し、誰が撮影しても失敗のない写真が撮れる時代に進化する途上にある。

フィルム時代は撮影から現像、焼き込みまで、さまざまな知識や経験が必要だった。それゆえ、プロカメラマンや写真家は重宝された。しかし、いま、ソニーやキヤノンなどが開発競争を繰り広げ、プロカメラマンがPRする先にあるのはプロ不要の時代なのかもしれない。

例えば、新聞社であれば、入社前にカメラや写真を修練している人でなくても、つい先日まで経理を担当していた社員がシャッターを押すだけで商品が作れるといった具合だ。仕事道具として、その進化自体は決して悪いことではないのかもしれないが、趣味カメラに視点を変えると別の景色が広がる。

もちろん、家族旅行などで失敗なくサクサク撮れるカメラは便利でいい。AFが優秀でレンズの選択が幅広いソニーのフルサイズミラーレスは、まさに我が家の旅行必需品だ。

しかし、趣味カメラとなると、私だけでなく多くの人たちが不便なカメラを欲しがるようになる。

趣味の入り口は最新式ミラーレスだった人も、撮影に慣れてくると、「フィルムカメラやデジタル一眼レフが気になる」と言い出す。購入して撮影してみたら、その写真がまた新鮮。フィルムやデジイチの魅力にはまり込む人たちは決して少なくない。

さらには、よく写らない高価なレンズを好んで買うようになる好事家もいる。趣味カメラの世界は広く深い。

冒頭で申し上げた様に、私にとって1990年から2010年のデジタル一眼レフは最近のミラーレス以上に新鮮なのである。

写真家・森山大道さんが好きな言葉に「過去はいつも新しく 未来はいつも懐かしい」という文言がある。

そう。私にとって過去はいつも新しいのだ。

コメント

  1. liku より:

    いつも楽しく拝見しております。

    画素数が良ければよいというものではないとよく聞きますが
    それでも冒頭に600万画素と聞き
    「えっ?少なくないか?」と感じてしまいました。

    ところが今回の写真を拝見して
    すごくきれいでびっくりしました。

    センサーがCCDだからかもしれませんが
    8000円でこのクオリティを味わえるのであれば
    全然ありですね。

    今回の記事は勉強になりました。
    これからも応援しております。

    • 左京 より:

      likuさん コメントありがとうございます。

      そうですよね。レンズ込み8000円台で購入した600万画素のデジイチで、これだけの写真が撮影できるとは思ってもいませんでした。十分なクオリティですよね。

      むしろ、最近はCMOSの画像を見慣れているせいか、CCD画像が新鮮でもありました。デジタル時代になってフィルムを懐かしむ中高年や、フィルムを新しく感じる若者が増えている様ですが、CCD時代のデジイチも十分楽しめると思いました。

      またのコメントをお待ちしています。

  2. はじめまして。
    noteを経由してやって来ました。

    自分の使用中のカメラはペンタックスのK-70、K200D、
    *istDの三台の一眼レフとサブのコンパクトであるoptio I-10の四台です。
    実は一番最近に買ったのが、K200D。
    K-70がメインだったのですが負担を減らす為、
    貰い物の*istDを使用してました。
    そこで気に入ったのがCCDの鮮やかさ。
    連写や高感度属性など性能自体はK-70の方が優れてる点は多いのですが、
    カメラにとっては命の色の鮮やかさだけは*istDの方が勝ってました。
    問題なければ使用してましたが、*istDには致命的な問題が。
    仕様メディアが、コンパクトフラッシュである点でした。
    デジタルカメラのメディアとしてはSDカードに統一された昨今、
    コンパクトフラッシュは高価かつ入手難なメディアです。
    そこでSDカードのCCDを探す事になり、
    K10D、K200D、K-mの三台が候補になりました。
    どちらも1000万画素のCCD機です。
    まず軍艦部に液晶が無く安っぽいという点でK-mが候補から外れ、
    熟考の末に単3電池仕様という点で、K200Dに決まりました。
    専用電池は充電可能ですが、高価ですから。
    その点単3電池はリチウムイオン電池でも、4本パックが700円前後。
    結局、Amazonで本体を7800円、バッテリーパックを3400円で購入しました。
    バッテリーパックはあまり必要性が無いのですが、
    ファッションで購入しました。

    使用した感ですが、やはりCCDは鮮やかですね。
    冬空でも色が全然違います。
    ライブビューが無い、連写が劣る、動画が撮影出来ないと、
    及ばない点も多いのですが、良いカメラです。
    K100DSuperも負けず劣らず素晴らしいカメラだと思います。

    ちなみにK100D SuperのCCDは、*istDと同じソニー製の名作です。
    使用してるカメラは多く、
    中にはエプソンの世界初のレンジファインダーデジタルカメラ、
    エプソンRD-1にも採用されてます。
    おそらくこのセンサーを使用しているカメラの中で、
    一番趣味性が強くて高価なカメラです。

    • 左京 より:

      佐久間ディックさん コメントありがとうございます。

      確かに、SONY製のCCDセンサーもいいですよねえ。私も古いデジタル一眼レフを選ぶにあたってCCDセンサーであることと、SDカードが使えること、あとはバッテリーが現在でも調達可能であることを重視しました。

      CCDセンサーのK100D Superのバッテリーはパナソニックのエネループが使えるので、家に眠っていたものを充電しながら活用しています。記録メディアはSDカードなので購入しました。標準ズーム込み1万円以内でCCDカメラを楽しめるのですから、時の経過に感謝しかありません。

      K100D Superは入門機にもかかわらず軍艦部に液晶があって背伸び感もあってなかなか健気でかわいいカメラだと思っています。ただ、私は軍艦部の液晶有無には拘っていなくて、このあと購入したミドルクラスのPENTAX KPのシンプルな軍艦部も好印象です。

      PENTAXはニコンやキヤノンほど人気がありませんが、いろいろ調べるうちに、CMOSセンサーの機種も発色がよく、強力なボディ内手振れ補正がしっかり備わっていたり、これはレンズも揃えようと言う気にさせてくれます。そのレンズもデザイン性に優れ、小型軽量なlimitedレンズなど、比較的安価で買えるので、趣味カメラとしてはなかなか魅力的なメーカーだと感じています。

      さきょう

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