銘匠光学「 TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH」は期待以上の描写力だった!安価であっても中華レンズは侮れない!(作例あり)

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「 TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH」は中国メーカーの台頭を象徴するレンズ

初の中華レンズ!「TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH」を購入した理由

晴れてM型ライカのオーナーになったものの、ライカ純正レンズの恐ろしい金額を前に、購入のための金策や純正レンズに代わる代替策をあれやこれやと思案している人は多いのではないかと思う。

私もその一人である。長期保有していた株を利益確定するなどして、何とかレンズ資金を調達している状態だ。常用レンズならば、多少高額でも頑張って購入するが、年に数回ほどしか使わず、防湿庫の老名主になることが予見されるレンズは見送っている。

そのひとつが、ライカの誇る大口径レンズ「NOCTILUX-M F0.95/50mm ASPH.」。ライカストアで税込み146万3000円だ。昨年、私はアポズミクロンを購入したばかり。次々とレンズに散財するわけにはいかない。

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「NOCTILUX-M F0.95/50mm ASPH.」は大口径レンズだけあって重量700gと重い。ボディと合わせて1.5kgに迫る。私のスナップ撮影は平均2〜3時間。撮影中の体力消耗は可能な限り避けたい。それゆえ、私にとって常用レンズになりえそうにない。

しかし、一方で「f0.95という未知の世界を経験してみたい」という好奇心もある。

f0.95の大口径レンズといえば、2019年10月、ニコンもライカに対抗してMFレンズ「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」を発売した。こちらも約100万円と高額だ。しかも、重量はなんと約2kg。とても気楽に持ち出せる代物ではない。

そんななか、昨年2020年9月、中国・深圳の銘匠光学が「TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH」を発売した。価格は税込み8万8000円。サイズや重量はノクチ並み。ルックスも似ている。

いろいろな作例をみたが、決して「安かろう、悪かろう」のレンズではなさそうだ。百聞は一見にしかず。まずは自分の目で確かめてみたいと考え、「TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH」を購入した。

私にとって、「TTArtisan」は初の中華レンズだ。

中華レンズの中では高額帯のレンズだが、それでも「NOCTILUX-M F0.95/50mm ASPH.」の「16分の1」、「NIKKOR Z 58mm f/0.95 S Noct」の「10分の1」の値段である。

これでf0.95の世界を覗けるのなら、悪くはない。

本家ノクチとTTArtisanの外観はそっくりだが、レンズ構成は異なる

安いにもかかわらず、その外観や性能の酷似ぶりから、ジェネリック・ノクチとも言われる「TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH」。購入直後のfirst impressionだが、レンズはずっしりと塊感があり、鏡胴の作り込みは高級感たっぷりだ。収納ケースも特別感のあるものだった。

ブラック鏡胴は、本家ノクチがプラスチック製のキャップなのに対し、TTArtisanはアルミ掘り出し。レンズへの装着感やフィット感も素晴らしい。

本家ノクチのオーナーが手にしたら「ノクチは130万円以上のレンズなのだから、キャップくらいプラではなくTTArtisan並みにして欲しかった」と思うに違いない。(なお、ノクチのシルバー鏡胴はアルミ製のかぶせ式が採用されている。お値段はさらに4万円ほど高くなる)

鏡胴のフォントは当然、ノクチとは微妙に異なる。「ノクチの方がかっこいい」とおっしゃる方も散見されるが、実用レンズなのだから、私は気にならない。むしろ、ノクチと同じなら問題だ。

では、双方のサイズやスペックを比較してみたい。

NOCTILUX-M F0.95/50mm ASPH. TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH
F値 0.95 0.95
レンズ構成 5群8枚 8群11枚
フィルター径 60㎜ 67㎜
最短撮影距離 1m 0.7m
サイズ(最大径×長さ) 73×75.1㎜ 67×82㎜
重量 700g 690g
価格(税込み) 146万3000円 8万8000円

サイズはほぼ一緒。フィルター径はノクチがやや小さいが、重量はTTArtisanがやや軽い。最短撮影距離はTTArtisanが30センチほど寄れる近接性能となっている。

レンズ構成はノクチが「5群8枚」に対し、TTArtisanは「8群11枚」。TTArtisanはノクチの完コピレンズというよりもオマージュレンズと言った方が適当かもしれない。

では、作例をご覧いただきたい。

全て開放f0.95で撮影!「 TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH」の昼夜作例

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背景ボケは柔らかく被写体の特別感を演出してくれた(昼の撮影)

今回はf0.95という大口径レンズなので、昼夜双方の撮影を実施した。カメラボディはLeica M10-P。シャッタースピード(SS)を稼ぐため、昼間はNDフィルターを使用した。なお、すべてf0.95開放で撮影した。

まず、最初に紹介したいのは、東京・中目黒の閑静な住宅街に佇む長泉院附属現代彫刻美術館。日本の彫刻家の作品が本館と野外に展示されていて、入場料は無料。多くの人たちに日本の現代彫刻の魅力を知って欲しいという館長の思いが漂う美術館だ。

新型コロナの感染拡大を防止するため、1月15日から休館となっている。その佇まいといい、心意気といい、名美術館だと感じている。繰り返すが、入館料は無料だ。(公式ホームページ

まずは余計な私の解説や感想は抜きにして、素晴らしい作品とその描写をご覧になって欲しい。

「光」 作者・川崎普照 現代彫刻美術館

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「波に乗れ」 作者・田中毅 現代彫刻美術館

「風・道」 作者・峯田義郎 現代彫刻美術館

「AWAITING GREEN WIND」 作者・三木俊治 現代彫刻美術館