100年後に意味を持つスナップ写真を心がけたい
2021年の桜はある意味で歴史的光景
2021年3月14日(日)、東京は朝から快晴。気温も20度近くまで上昇した。その日、気象庁は東京の桜が開花したと発表した。平年より10日以上早く、過去最も早い開花だった。
一気に咲き、はかなく散り去る桜に日本人は長い歴史の中で、さまざまな情を込め、愛でてきた。
桜の開花は農耕の始まりを知らせるシグナルであり、和歌にも歌われ、現代はラグビー日本代表の胸に刺繍が輝いている。
2021年のさくらは過去に類を見ないコロナ禍のなか、不安をを抱えるなかで開花した。
そのとき、日本に住む人々はどういう表情で接し、愛でたのか。開花発表から7分咲きになった頃、目黒川に足を運んだ。その記録が100年後の世代にも残せるように願いを込めて・・・
中目黒・目黒川は華やかで癒しの桜が咲き乱れていた
撮影機材は富士フイルムのフラッグシップX-Pro2と名玉「XF 35㎜ f1.4 R」(フルサイズ換算約50㎜)。後ほど説明するが、ソーシャルディスタンスを保つにはフルサイズ換算35㎜よりも50㎜のレンズが好ましいと考えた。
まずは目黒川の川沿いを歩いて東急・中目黒駅方面に向かった。
東急電鉄の高架が見える付近から、人の数が増えてきた。
やがて、「お花見は自粛をお願いしています」という看板を持った警察官が立っていた。しかし、庶民のささやかな楽しみを強制的に排除するようなことはしない。紳士的な姿に阿吽の呼吸のようなものを感じた。
電車内で新聞を読むサラリーマンが消えたように、桜の撮影カメラも一般的なカメラではなくスマートフォンばかり。50年後、100年後、人々はどんなカメラで撮影しているのだろうか。スマホなのか、それとも異なるデバイスが誕生しているのか。
スマホでも撮影方法がなかなか本格的だ。素敵な小物利用に感心し、教えられた。この方法、ソロスナップの私にできるだろうか。少しばかり考えた。