PENTAX渾身のAPS-C一眼レフ「K-3 Mark III」の魅力と弱点を徹底分析!名機”PENTAX KP”と比較し購入是非を考える(KP作例あり)

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PENTAXが発売したAPS-Cフラッグシップ「K-3 Mark III」が魅力的な理由

image:RICOH IMAGING公式サイトより

PENTAX界隈がザワついた!私も気になった

それにしても、カメラメーカーは変わり身が早いと思う。

つい10年前、いや5年ほど前まではカメラ市場を圧巻していたデジタル一眼レフ。ニコンもキヤノンも主要カメラの旗を下ろし、雪崩を打ったようにミラーレス、ミラーレスである。

企業なのだから不採算部門から手を引き、将来性のある分野にリソースを割くのは当然なのかもしれないが、この分だとデジタル一眼レフを開発・生産する企業が日本からは消えるのではないかとさえ感じる。

そんななか、リコー・ペンタックスは、デジタル一眼レフで突き進むと宣言した。

日本にとって、一眼レフはあのドイツ・ライカを倒産寸前まで追い込んだ、いわば伝統工芸品である。その灯を消さぬよう孤軍奮闘するリコーペンタックスの姿は応援したくもなる。

そのリコーが3月末、デジタル一眼レフ「K-3 Mark III」を4月23日に発売すると正式発表した。先代の「K-3 Mark II」が発売されてから、実に約6年ぶりの更新だ。昨年10月、2月21日に発売すると予告していたが、結局、発売は2ヶ月ずれ込んだ。このだらしなさがいかにもペンタックスらしい。

いずれにしても、久しぶりに発表された本格的デジイチである。正式発表直後から、写真家たちが次々にデモ機を手に宣伝動画をアップし、ペンタキシアンのみならず、一眼レフ好きも購買欲や関心を刺激されているのではないだろうか。

「K-3 Mark III」の魅力を説明するユーチューブ動画を見ながら「購買欲を刺激しておいて、あなたはきちんと買うのですか?」と言いたくもなるほど、全くもって迷惑な写真家たちだと感じている。私自身、最近、心穏やかではない。

今回、「K-3 Mark III」を取り上げるのはパスしようかとも考えたが、やはり、気になる。

というわけで、私が使用しているPENTAX KPと比較しながら、「K-3 Mark III」の魅力と弱点を分析したいと思う。

長所はフルサイズ同等のファインダーとAFの進化!弱点は?

image:RICOH IMAGING公式サイト

新発売された「K-3 Mark III」の最大の魅力は、フルサイズ機「K-1 Mark II」と同等の広い視野角。APS-C機でありながら、フルサイズと同じようなファインダーの見え方を実現することで、より一層、撮影時の没入感が得られるとしている。

デジタル一眼レフが支持される最大の要因は、覗く気持ち良さに加え、撮影後の画像を想像しながら撮影を楽しめる光学ファンダーである。その見え方にリソースを注ぎ込んだわけだ。ただ、そのトレードオフはないのだろうか?

では、私がベストデジイチに選んだ「PENTAX KP」と比較したのが次の表だ。表には加えなかったが、AF性能は順当進化しているようだ。そのうえで、表を見ていただきたい。

PENTAX KP PENTAX K-3 Mark III
発売日 2017年2月 2021年4月
撮像素子 APS-C CMOS APS-C CMOS
有効画素数 2432万画素 2573万画素
連射性能 最高約7コマ/秒 最高約12コマ/秒
撮影感度 標準:ISO 100~819200 標準:ISO 100~1600000 
ファインダー倍率 0.95倍(視野率約100%) 1.05倍(視野率約100%)
5軸手振れ補正
背面モニター チルト式液晶 固定式液晶
ライブビュー ○(顔検出) ○(顔検出、タッチAF
動画 Full HD  4K
幅x高さx奥行き 131.5x101x76 mm 134.5×103.5×73.5 mm
重量(バッテリー等含む) 703g (本体のみ643g) 820g (本体のみ735g )
価格 10万2500円(シルバー・楽天ビック) 25万1820円(マップカメラなど)
今年、PENTAX KPの生産は終了したため、執筆時、在庫のある楽天ビックの販売価格を参考にしました。なお、KPの中古は、6万円台で購入可能。

 

「K-3 Mark III」は、連射性能が向上したほか、ISO感度がKPより1段多い1600000まで拡大したが、そんな感度で使用することはないと思う。常用感度がどれだけ向上しているのか、それは実機で確かめるしかない。

私が最も注目したのは、液晶モニターが指でタッチ操作でき、AFポイントも移動可能な点。一方で、KPはモニターがチルト式で動かせるが、「K-3 Mark III」は固定式だ。メーカーは固定にした理由を「長く使って欲しいため」と説明しているが、説得力は弱い。おそらく、この辺にコストカットを感じる。

実用上、ローアングル撮影の機会は少なくない。そのときファインダーから目を離さざるをえない。そうでなければ、街中で腹ばい撮影になり、頭のおかしな人だと誤解を受け、場合によっては警察を呼ばれるだろう。背面モニターはKPのチルト式が便利だ。

サイズと重量はKPが軽量コンパクトだ。

最も異なるのは価格。「K-3 Mark III」は2.5倍で、相当強気の価格設定となっている。「K-3 Mark III」の発売を控え、KPはディスコンとなったが、もしも生産・販売されていたら、今回の価格を見てKPに逃げた消費者も多かったのではないか。

総合的には魅力的なカメラだ。なによりも、カメラのデザインはKP同様クラシカルで素敵だ。ただ、「K-3 Mark III」の最大の弱点は価格になるかもしれない。

では、なぜ、私がペンタックスに魅力を感じているのか。その理由を説明したい。

ペンタックスはlimitedレンズが最大の魅力(作例)

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懐かしい味のある描写!PENTAX KPとSMC FA 43mmF1.9 Limitedの作例

PENTAXのカメラはルックスが良く軽量コンパクトだ。他のデジイチメーカーとは異なり、ボディ内手振れ補正の搭載も徹底している。

そのカメラの魅力に加えて、アルミ削り出しでクラシカルなデザインのレンズ群・limitedシリーズの存在がある。

私は立て続けに、以下の3本を購入した。

  • smc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited
  • smc PENTAX-FA 77mm F1.8 AL Limited
  • HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR

それぞれ持ち味は異なるが、総じて、その描写力はほどよく収差を残したり、キリッとしたり、上品な色乗りだったり、とても楽しめるレンズだ。

その3本について撮影例を紹介したい。全てPENTAX KPで撮影した。

まずは、「smc PENTAX-FA 43mmF1.9 Limited」。KPだとフルサイズ換算60㎜程度だが、ソーシャルディスタンスが大切ないま、最も使いやすい焦点距離だ。夕暮れから夜にかけて撮影した。(撮影地・中目黒)

透明感抜群な描写力!SMC FA 77mm F1.8 AL Limited の作例

2番目は「SMC FA 77mm F1.8 AL Limited」。ペンタックスファンの間ではポートレートに適したレンズという評を見かけるが、スナップで活用すると、非常に抜けが良くクリアな描写を実現することができる。発色も上品だと感じた。(撮影地・中目黒、駒沢)

スナップに万能!HD PENTAX-DA 20-40mmF2.8-4ED Limited DC WR

最後は、limitedシリーズで唯一のズームレンズ。ただ、わずか20-40㎜の2倍ズームである。

フルサイズ換算で30-60㎜なので、私はPENTAX KPの常用レンズにしている。スナップには実に使いやすい焦点域となる。

描写は、他のlimitedレンズよりもクセが少なく、ナチュラルな描写だ。それでいて、どこか優しい写真となっている。(撮影地・広尾、恵比寿、駒沢)

撮影を終えて感じたこと

PENTAX KPにlimitedレンズをつけて撮影しているうちに、「いったい、画質とは何だろうか」と考えるようになった。

人は「画質が良い」という言葉を使うが、画質の良し悪しは受け取る側の感受性や好みによって異なるものだ。周辺が流れていたり、暗かったりする写真が画質が悪かといえば、そんな写真の画質が好きだという人もいる。

現在レンズは開発技術が向上して周辺まで高解像度のレンズばかりになった。隅々までうるさく見て少しでも周辺が流れていたらダメレンズと言われかねない時代だ。まるで顕微鏡かと見間違うほどの神経質さだ。

そうした中で、PENTAXの41㎜と77㎜のlimitedレンズは、いずれもフィルムカメラ末期に誕生したレンズである。このため、AFではあるが、MFでもすこぶる操作しやすい。

しかも、その描写が、いまではあまり主に描かれない空気感を醸し出すので、逆に新鮮だったりする。

とかく最近は「周辺が〜」とか「解像感が〜」とか「ボケが〜」と行った風に、レンズ研究に忙しい人も見かける。そういう楽しみ方もいいが、私はもう少しラフでいい加減に撮影自体を楽しみたい。

ソニーやシグマのような解像するレンズも好きだが、limitedのような描写もほっとする。どちらがいい悪いではなく、どちらも味わうことで描写への理解と寛容度が広がっている自分に気づくのである。

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