α7Cに似合うレンズ探し・広角レンズ編
小型軽量なα7Cにコシナレンズを選んだ理由
ボディとレンズ合わせて1kg以内が私的条件
「威圧感を与えない、さりげないカメラシステムで撮影したい」
ストリートスナップの際、私は常に、そう考えている。
センサーサイズをAPS-Cやマイクロフォーサーズにすれば、それなりにコンパクトなシステムにはなる。
しかし、小さなセンサーでは暗所のノイズも気になる。
ようやくソニーが「世界最小・最軽量」、約500gで軍艦部を取り払ったα7Cを発売してくれた。
ミラーレスカメラの最大のメリットは小型軽量化できることだと考えている私は買わないわけにはいかなかった。前回のブログで、そのα7Cを購入した理由を申し上げた。
しかし、小型軽量なボディを手に入れたからといって安心してはいけない。
昨今のカメラシステムを巨大化させているのはボディだけではない。
F値の明るいレンズは偉いといった「Bokeh(ボケ)」信仰が蔓延し、明るさと引き換えに巨大で高額なレンズが量産され、ミラーレスとは思えない肥満カメラと巨大レンズのシステムが横行している。
野鳥やスポーツ、スタジオ撮影なら理解できる。しかし、長時間、歩き回るスナップ撮影に威圧感を与えるような巨大で不細工なシステムは似合わない。
というわけで、所有欲を満たすようなデザイン性を有し、α7Cの軽量コンパクトを損なわないレンズ選びを考えたいと思う。
小型軽量なα7Cはコシナのレンズから選びたい
コシナというと、安くてF値の明るい「NOKTON classic 40mm F1.4」「NOKTON classic 35mm F1.4」が人気だ。私も「NOKTON classic 35mm F1.4」を所有しているが、実に小型軽量で上質なレンズだと思う。
ただ、今回、α7Cと同時期に購入したレンズがある。
「Voigtlander COLOR-SKOPAR 21mm F3.5 Aspherical Vintage Line」(写真左)と「Voigtländer ULTRON vintage line 35mm F2 Aspherical」(写真右)の2本だ。
いずれも、「NOKTON classic 35mm F1.4」よりF値が暗めだが、昨今のミラーレスはフィルムカメラと違ってISO感度を相当を上げたとしてもノイズが少ない。とくにα7Cは高感度耐性に優れている。
それゆえに、F値よりもデザインを重視した。「大人の健全な遊び心を満たしてくれるレンズ」と言ったらいいのか。
今回、作例を紹介する「Voigtlander COLOR-SKOPAR 21mm F3.5 Aspherical Vintage Line」の姿が下記の写真だ。
クラシックレンズを彷彿させる外装で覆われ、軽金属にちり緬塗装で仕上げたフードもデザインが素晴らしい。
結晶塗装が施されたフードは質感も高く、微かな輝きが魅力的だ。
著名な写真家が、スペックが優秀でも不細工なカメラは仕事では我慢するが、「プライベートでは我慢できない。一緒にいたくない」とおっしゃっている。同感だ。
私にとって、α7Cとコシナのクラシカルなレンズは、一緒にいたいベストなシステムだと感じた。
もうひとつ、重要なことがある。
私はライカファンでもあるが、レンズ1本何十万円という暴力的な値付けのライカと違って、コシナはおおむね10万円以内と良心的、健康的な値付けでもある。
コシナにのめり込んで生活苦に陥る人はいないだろう。安心しておすすめできる。
ちなみに、「Voigtlander COLOR-SKOPAR 21mm F3.5 Aspherical Vintage Line」は180g。カメラに取り付けると、合計重量は802gだった。
一方、私がエルマー50㎜F2.8(第2世代)をつけたLeica M3は863g。
α7CのシステムはM3のシステムより約60グラム軽量ということになる。
Leica M3より軽量なシステムを手にした私は「いつかは確かめておきたい」と考えていた場所に向かった。
デザインと品質に優れた「Voigtlander COLOR-SKOPAR 21mm F3.5 Aspherical」と作例
東京・代官山の路地裏に行きたい理由とは?
30代前半のころ、私は妻から、ある業種の会社を設立したいと相談を受けた。
私は会社員だったので実務に参画するわけにはいかない。結局、出資と相談役を引き受け、その会社はまもなく渋谷区代官山で産声を上げた。
妻と社員の2人だけの極小会社は創業以来25年以上、無借金経営を続け、いまでは老舗の一角となった。今年も都内の国立大学から新卒者を迎え、コロナ渦のなかで、全員の給料・ボーナスは満額支給、リストラゼロという経営を続けている。
これも優秀な社員たちの努力の賜物。本当に感謝している。おかげで、私は日々、スナップ撮影に集中できる。
いや、下手に会社に顔を出すと「社員が気を遣うでしょ」と社長に怒られるので、スナップに興じるしかないのだ。(汗)
その会社が産声を上げた代官山のあの場所に行ってみたくなった。入り組んだ路地裏の小さな建物はいまもあるのだろうか?
変貌した街のランドマーク・代官山蔦屋
代官山といえば、いまや、旧山手通りに面した商業施設「代官山 T-SITE」がランドマーク的存在だ。
代官山駅から徒歩2分ほど。蔦屋書店を中心に、おしゃれなカフェやレストランなど専門店が軒を連ね、一日中、のんびり過ごせる場所としても人気のスポットである。
私も自宅から近いので、時々、お世話になっているが、IT系の若い人やモデル風?の女性など、老若男女が談笑し、あの当時は考えられないような近代的な光景だ。
「代官山 T-SITE」に着いたのは午後3時すぎ、平日でも駐車場にはそれなりに車が並んでいる。
まずは、「代官山 T-SITE」駐車場の横道から周辺を歩いた。