コロナ自粛生活はカメラシステムを見直す好機だった
自粛生活の中でソニーαシステムの魅力を再認識
私はマニュアルフォーカスのM型ライカ(ライカM10・M240)をメインにスナップ撮影しています。ただ、オートフォーカスの優秀なカメラで楽に写真を量産したいと考えるときがあります。
スポーツ競技や運動会など激しく動く被写体の撮影、結婚式など撮影場所を移動できない式典撮影、さらにはライカを持って行きずらい場所での撮影など、ミラーレス一眼の出番は意外に多いものです。
フォーカスを合わせる必要のないiPhone11Proも優秀なカメラですが、スマホでの撮影は撮影している感が薄く楽しくないものです。
では、ミラーレス一眼では、どのメーカーが優れているのか?
比較的小型軽量なフルサイズであり、純正だけでなくサードパーティ製も含めたレンズの種類が豊富なソニーαシリーズが総合的にナンバーワンだと考えています。
もともとニコンのフィルムカメラで仕事していたので、この際、ニコンのミラーレスや一眼レフも追加しようかと考えましたが、ミラーレスを調べれば調べるほど、ソニーに軍配が上がり、仮にニコンを追加しても使用しない恐れがあると感じました。
ただ、フィルムカメラと違って、デジタルカメラは経年によって確実に値下がりします。
ですから、将来、ニコンの誇る一眼レフの高画素機D850が10万円台まで下落した時には一度購入し、その性能と魅力を体験してみたいとは思います。
というわけで、今回の自粛生活ではソニーαシリーズを中心に機材の補充を行いました。
高画素機α7RⅢを購入し、レンズ強化にも着手
まず、新たに購入したのは4200万画素の高画素機α7RⅢです。
最近はA4やA3サイズにプリントして写真を展示する環境を整えたため、高画素機も1台購入し、プリントした際の画質を2000万画素クラスのカメラと比べてみたいと考えました。
ソニーは昨年、6200万画素のα7RⅣを発売したため、1世代古いα7RⅢは新品が20万円台、中古だと状態の良いものでも10万円台で手に入るようになりました。
私は6200万画素も必要ないので、4200万画素のα7RⅢで十分。むしろ、6200万画素だとデーターの扱いに難儀しそうなので、私の用途にはα7RⅢが最適だと考えました。
流石に、ソニー3世代目の機種は完成度が高く、α7Ⅲとともにα7RⅢも長年使用しようと考えています。
ボディと同時に、中望遠が手薄だったのでソニーの無印レンズの中でも評判の良い85㎜F1.8も購入しました。価格は5万円台なのにGMレンズに大きく引けを取らない描写力で人気のレンズです。
では、現在、私が揃えたソニーαシリーズの機材は以下の通りです。
【カメラ】
- α7RⅢ(新規)
- α7Ⅲ
- RX100M7
【レンズ】
- タムロン17-28mm F/2.8 Di III RXD
- SEL24105G
- SEL100400GM
- SEL35F18
- SEL55F18Z
- SEL85F18(新規)
ほぼ、機材も完成形に近づいてきましたが、まだ購入したいレンズがあります。
望遠ズームレンズにもGMキラーが登場した!
今後、購入を検討しているのは中望遠135㎜F1.8のGMレンズ(FE135mm F1.8 GM)と、タムロンが今年5月に発売した大口径望遠ズームレンズ(70-180mm F/2.8 Di III VXD)の2本です。
FE135mm F1.8 GMは昨年のCP+で発表された単焦点のGMレンズ。その描写力の凄さはすでにYouTubeなどで紹介されていますが、高画素機のα7RⅢならば、APS-Cクロップで200㎜で使用することもできます。
ソニーの誇る高級Gマスターは、高くて重いレンズばかりですが、100-400㎜の次に揃えたいレンズはポートレートだけでなく、風景撮影の幅を広げる意味でも135㎜だと考えています。
一方で、ソニーEマウント用のレンズを次々発表しているタムロンが、5月に70-180mmのF2.8通しという明るい望遠レンズを12万円台で発売し、大人気となっています。
海外からは、周辺解像は20万円台のソニーGマスター「FE 70-200mm F2.8 GM OSS (SEL70200GM)」を上回っているという報告も出たためか、価格.comでも人気売れ筋ランキングでトップを爆走中です。
「70-180mm F2.8」登場でタムロン大三元レンズが出そろった
軽量コンパクトで低価格に拘った優秀なレンズを提供するメーカー
誰が考えたのか、F値2.8通しの明るいズームレンズ・広角、標準、望遠の3つを大三元レンズと呼び、各メーカーから純正レンズは1本につき20〜30万円の高額で発売されています。
「大三元」という言葉に惹かれて購入するアマチュアカメラマンも少なくないようですが、3本揃えると総額60〜80万円。ちょっとした趣味カメラへの出費としては勇気のいる金額です。
しかし、その描写の魅力がYouTubeなどでPRされ、その描写を手に入れたいと、ローンを組んでシステムを組む人もいます。
もっとも、プロのカメラマンならば、最高品質の機材を取り揃えるのは顧客にも失礼にならない行為です。むしろ、最上位クラスのカメラやレンズを取り揃えることが営業的にもマストだと思います。しかも、高額機材であっても必要経費として税金を控除することができます。
しかし、素人はそうはいきません。自腹になります。
一方、メーカーもプロ需要だけでは売り上げも利益も高が知れています。
素人が高額カメラやレンズに食らいついてくるようにカメラ系ユーチューバーらを利用して宣伝に余念がありません。
正直言って、カメラやレンズを買わなくても生きていけます。生きる上では、高級車やブランド時計と並んで、カメラは贅沢な嗜好品です。
それだけに、最上位のクオリティーを安価なコストで手に入れたいと考えるのが人情。タムロンは、その人情に忠実に応えるだけでなく、軽量コンパクト化にも徹し、引き算の方式で普段から気軽に持ち歩ける小型軽量な機材を開発・生産し続けています。
その考え方は、すでに最近発売されたソニーEレンズ用の単焦点にも凝縮されています。
単焦点レンズについては、各社が「うちはF1.8だ」「いや、こっちはF1.4だ」と大口径を追求するなか、タムロンはF値を2.8に抑え小型軽量化を優先しました。
どんなに明るい大口径レンズであっても大きく重いものは、普段、頻繁に持ち歩く気にはなれず、撮影機会を逸してしまいますから、結局、「無」に等しいのです。
今回、発売された70-180㎜の望遠ズームレンズについては、各社のズームレンズは望遠端が200㎜なのに対して20㎜短くしています。
これも小型軽量化を優先した結果だと推測しています。
タムロンの大三元は総額30万円ほどで手が届く
70-180㎜の望遠ズームレンズが発売されたことで、タムロンの大三元が出揃いました。
きょう現在、新品価格は概ね以下の通りとなっています。
- 17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046) 約10万円
- 28-75mm F/2.8 Di III RXD (Model A036) 約8万円
- 70-180mm F/2.8 Di III VXD (Model A056) 約12万円
大三元を3本揃えても約30万円。ソニー純正レンズの半額以下のコストで済みます。しかも、いずれもフィルター径が67㎜に統一されているので、NDフィルターも1種類に統一できるのでコスト安となります。
なお、ソニーGMレンズと比較したのが下の表です。(価格はマップカメラ新品価格)
サイズ | 重さ | 価格(5月31日現在) | |
タムロン70-180㎜ F/2.8 Di III VXD | 最大径81x長さ149㎜(フィルター径67㎜) | 810g | 約12万3000円 |
ソニーFE 70-200mm F2.8 GM OSS | 最大径88x長さ200㎜(フィルター径77㎜) | 1480g | 約29万6000円 |
ソニーは他社のフラッグシップカメラに安価で高性能な新型カメラをぶつける戦略が得意なため、「フラッグシップキラー」とも呼ばれています。
そのソニーに対し、タムロンは安価で小型軽量で高性能な大三元をぶつけて大人気となっています。
その意味で、タムロンはソニーの純正レンズキラーになるかもしれませんね。
ちなみに、私はタムロンの広角ズーム「17-28mm F/2.8 Di III RXD」をすでに購入していて、標準域はソニー純正の単焦点レンズ、望遠ズームはソニーの100-400GMという体制となっています。
ただ、100-400のソニーGマスターは大きく重く普段、気軽に持ち歩けないので、タムロンの「70-180mm F/2.8 Di III VXD」は購入しようと考えています。