フジフイルムが2月26日にX-T3の後継機「X-T4」を発表する予定です。
現行のX-T3が発売されたのは2018年9月20日。わずか1年半ほどで後継機を発表することになります。
最近はミラーレスを取り巻く技術競争は激しく、富士フイルムのカメラは色味や絵作りには定評がありますが、機能面では他メーカーの後手に回っている面が少なくありませんでした。
しかし、これまでの情報を総合すると、新モデル「X-T4」は他メーカーとの遅れを一気に取り戻し、性能・機能、価格面、作り出す画像の素晴らしさと、三拍子揃った理想的なカメラになりそうです。
というわけで、X-T3ユーザーの私にとって、X-T4がどんなカメラになって登場するのか、とても興味深いので、あれこれ雑談したいと思います。
2月26日発表予定の「X-T4」のスペックは?
ボディー内手ぶれ補正にバリアングル、バッテリー容量の大幅拡大
カメラメーカーは、次の3点を揃えた上位機種を続々と発表しています。
- ボディー内手ぶれ補正
- 液晶モニターのバリアングルもしくは180度チルド式
- バッテリーの大容量化
今回、富士フイルムが発表するX-T4は、その3点をいずれも満たしたモデルになりそうです。
まずは、スタイルから見ていきましょう。
おそらく、話題作りのためにリークされた画像だと思われますが、Fuji Rumorsが「日本からの信頼できる情報源から送られてきた」として報じたのが、以下の画像です。(引用元:Fuji Rumors)
まずは正面下側から見ると、X-T3とほぼ同じ。グリップはX-H1のように、さほど前に突き出していません。つまり、キープコンセプトです。
動画クリエイター待望のバリアングル搭載
次に、やや下位置からの背面写真。まさにバリアングルです。また、バッテリーの蓋が開いているのは、従来よりも大容量のバッテリーを積むことになることを想像させます。
X-T4を巡っては、バリアングルを含めた動画機能の充実が予想されていたので、もっとX-H1に寄せたスタイルを予想していた人が多いのではないでしょうか?
しかし、グリップを大きくすると、持ちやすくなる反面、重量は増します。X-T一桁シリーズは軽量という点も重要なコンセプトなので、その一線は守ろうとしたのかもしれません。
私はさほど動画利用を想定していませんが、それでもバリアングルと手ぶれ補正が搭載されたのは朗報だと考えています。
カメラの潜在的なポテンシャルが上昇することで、いざという時に利便性が高いからです。
ですから、グリップの大小は私にとては小さな問題で、X-T4はとかく保守的だった富士フイルムの新時代を切り開くイノベーション(革新)モデルだと考えています。
その理由は後述します。
X-T4は動画・静止画双方に優れた意欲的なカメラだ
注目の手ぶれ補正は「素晴らしい」!バッテリーも大容量化
X-T4のスペックについて、Fuji Rumorsは次のようにも伝えています。(引用元:Fuji Rumors)
- X-T3と同じ2600万画素センサー
- デュアルSDカードスロット
- 新しいサブダイヤル(「ビデオ」、「静止画」、「HDR」など)
- フリッピースクリーン(バリアングル液晶モニター)
- より深いバッファ
- 6Kなし
- 2350 mAhバッテリー(Nikon EN-EL15bとほとんど同じように見える)
- 露出補正ダイヤルがまだある。
- X-T3のボタンはまったく同じ量で、まったく同じ位置にある
- X-T4はX-T3よりも少し大きい
さらに、追加情報で、次のようにも報じました。(引用元:Fuji Rumors)
- X-T4液晶モニター1.62mドット(X-T3は1.04mドット]
- IBIS(手ぶれ補正)は素晴らしい
- 2200mAh 16WhのNP-W325バッテリー
- クラシックネガ、ブリーチバイパスフィルムシミュレーションが追加された
- X-H1のようなタッチシャッターはない
バッテリーはX-T3は約1200mAhの「NP-W126S」。一方、X-T4は2200mAhの「NP-W325」と、2倍近く大容量化されます。
ボディー内手ブレ補正は電力消費が大きいうえ、動画利用には従来バッテリーでは容量不足なので、大容量化は避けられなかったと思われます。
一方、画素数はX-T3と同じなので、もしかしたら同じセンサーが使われるかもしれませんね。
これによって、次期X-H2が最新のセンサーを積むカメラになりそうです。X-H2は「X-H1の悲劇」を繰り返すことはなさそうです。
価格は170ドル、市場店頭価格は20万円以下か?
今回のX-T4は、バリアングルやボディー内手ぶれ補正、バッテリー容量の拡大という、富士フイルムの弱点をすべて解決した意欲的なプロダクトだといえます。
コスト高になって下手をしたら20万円台前半の売り出し価格だと思っていましたが、2月18日、Fuji Rumorsは「入手した情報によると、富士フイルムX-T4の価格は1,700ドル」と報じました。
日本円に換算すると、約18万8000円。これに消費税10%を加えても、初値は20万円を切る価格に抑えるものと考えています。
X-T3の初値は17万8787円。2万円ほど高い19万8000円というのが私の初値予想です。当たるかどうか、楽しみです。(汗)
20万円台と10万円台後半では、ずいぶんイメージが違います。
10万円台ならば、他メーカーのユーザーも「フジがバリアングルと手ブレ補正を載せたらしいぞ。ちょっと使ってみようか」と手を出したくなるかもしれません。
さらには、X-T4を入り口にフルサイズユーザーがフジの中判カメラに手を出すかもしれません。
これまで、フジフイルムと言えば、安価なカメラを売るメーカーとイメージが先行していました。
しかし、今回のX-T4は、私のようなライカユーザーや、他社のフルサイズユーザー、そして動画クリエイターもちょっと使いたくなるモデルです。
特に、動画クリエイターに人気のソニーα6000シリーズやパナソニックGHシリーズにも真っ向から戦えるモデルだと感じます。
あとは、ソニーやパナソニックのように、4K動画の撮影時間が30分制限を解除できているのかどうか、その辺がクリエーターの注目点になるものとみられます。
X-T4については、正式に発表されたあと、同じAPS-Cセンサーで最大のライバルとなるソニーα6600と徹底比較したいと考えています。