SONYのRX100M7は機能・性能面では完璧に近いのだが・・・
機能・性能はミニα9!旅行や運動会の記録にも申し分ないスペック
ソニーが高級コンデジRX100シリーズの最新型RX100M7を発表後、私はフルサイズ最上位機種のα9に匹敵するAF性能だとお伝えしました。
もちろん、スペック上、α9に匹敵するAF性能であることは間違い無いのですが、このカメラには大きな欠点があります。
それは価格です。
本日現在、価格.comの最安値は14万0940円。
まさに高級コンデジの名にふさわしい価格とも言えますが、他のカメラに目を転じると、「ソニーさん、幾ら何でも価格が高級過ぎはしませんか?」と感じているカメラファンも少なくないようです。
というわけで、今回はカメラの経済学(ちょっと大げさですがww)を考えたいと思います。
APS-Cのα6000シリーズより高額なコンデジ
まずは、最新機種のRX100M7を同じRX100シリーズの他機種と比較してみたいと思います。
RX100M7は焦点距離が24〜200㎜(35㎜換算)と、広角から望遠側まで幅広い撮影が可能になるのが第一の特徴です。
その意味では、同じ焦点距離であるRX100M6の更新版です。
主に更新された点はAF性能や連写機能、そして動画性能。
逆に言えば、プロ機並みのAFや連写機能は必要ない、あるいは、さほど動画は撮らないという人は、RX100M6ならば、10万7065円(価格.comの最安値)で手に入ります。
RX100M6の発売時、「これぞ神機」と歓喜した有名ユーチューバーもいたくらいですから、旧型とはいえ、日常使用には十分なカメラです。
RX100M7はまた、レンズの明るさを示すF値がF2.8-4.5にとどまっています。
一方、RX100M5AはF1.8-2.8と明るく、部屋の中や夜間など暗所での撮影に強い機種です。私はRX100M5を所有していますが、普段使いは何ら不便はありません。
ただ、望遠側の伸びるコンデジも欲しかったので、焦点距離が24〜360㎜のライカC-LUXを購入しました。
望遠よりも暗所での撮影が重要だと考えるユーザーはRX100M5Aを選べば、8万6000円(価格.com最安値)で買えてしまいます。
新型RX100M7と旧型の比較は下記の通りです。
RX100M7 | RX100M6 | RX100M5A | |
焦点距離(35mm換算) | 24〜200mm | 24〜200mm | 24〜70mm |
F値 | F2.8-4.5 | F2.8-4.5 | F1,8〜2.8 |
最短撮影距離 | 8cm(標準) | 8cm(標準) | 5cm(標準) |
AFスピード | 0,02秒 | 0,03秒 | 0.05秒 |
AF測距点(位相差) | 357 | 315 | 315 |
(コントラストAF) | 425 | 25 | 25 |
静止画・瞳AF | 人と動物 | 人 | 人 |
動画リアルタイム瞳AF | ○ | ー | ー |
動画リアルトラッキング | ○ | ー | ー |
サイズ | 101.6×58.1×42.8 mm | 101.6×58.1×42.8 mm | 101.6×58.1×41 mm |
重さ | 302g | 301g | 299g |
価格 | 14万0940円 | 10万7065円 | 8万6000円 |
(注)価格は2019年8月10日時点の価格.com最安値 |
ご覧のように、M7とM5Aは5万円以上の価格差となります。
ただ、カメラにとって重要なのは画質にも大きな影響を与えるセンサーサイズです。
ですから、視野をAPS-Cやフルサイズのソニー製カメラに広げると、驚愕の事実が分かってきます。
それは何か?
RX100M7はズームレンズセットのAPS-C機種より高額だった
RX100M7とAPS-C最新型α6400を比べてみた
高級コンデジRX100M7の価格(14万円超)について、視野を広げて他の主要カメラと比較してみました。
まずは、今年1月に発売されたばかりのα6400。
RX100M7は高級コンデジといえども、所詮、センサーサイズは小さな1型センサーです。しかし、α6400はAPS-Cセンサーで、センサーサイズははるかに大きくなります。
しかも、AFなど性能・機能はほぼRX100M7と同じ。
RX100M7は”ミニα9”というよりは、”ミニα6400”ではないかという人がいるほどです。ただ、α6400がRX100M7に劣る点があります。
それは、ボディー内手ぶれ補正が搭載されていないという点です。
では、価格はどうか?
α6400はボディー単体で8万0040円。35㎜換算で望遠が200㎜まで伸びる高倍率ズームレンズ(E 18-135mm F3.5-5.6 OSS)キットで12万3999円です。
なんと、RX100M7より1万円余り安くなっています。
また、発売は2016年10月28日とやや時間がたちましたが、APS-Cの最上位機種α6500はボディー単体で9万7480円。高倍率ズーム(E 18-135mm F3.5-5.6 OSS)キットが12万9800円と、こちらも高級コンデジRX100M7より安い価格で手に入ってしまいます。
とくに、α6500は手ぶれ補正も搭載しているので、よく動画を撮るので手ブレ補正も欲しいというユーザーには選択肢の一つになるはずです。
ただ、近くα6500の後継機が発表されるという噂もあるので、新型機種を見極めたうえで判断するのが賢明ではないかと思います。
ちょっと背伸びしたらフルサイズの人気機種α7M3も視野に入る価格
最後に、ソニーといえば、フルサイズミラーレスのα7M3が代表的な人気機種となります。
昨年、驚くような高性能・高機能にもかかわらず、20万円台の低価格だったため、売れに売れてカメラ業界のゲームチェンジャーとなった機種でもあります。
そのα7M3はボディー単体が18万7656円(価格.comの最安値)。RX100M7と4万円足らずの価格差しかありません。
また、α7M3のレンズキット(ズームレンズ FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS)は20万2670円。RX100M7を買うお金があったら、あと6万円足してフルサイズカメラを買おうかと迷う人がいてもおかしくはありません。
α7M3は何と言ってもフルサイズ。コンデジよりも暗所に強く、画質が良いのは言うまでもありません。
というわけで、RX100M7とソニーの代表的人気カメラの価格一覧表を作成しました。
価格(最安値) | RX100M7との比較 | |
RX100M7 | 14万0940円 | ー |
RX100M6 | 10万7065円 | M7と焦点距離は同じ |
RX100M5A | 8万6000円 | 焦点距離は劣るがF値は明るい |
α7M3 | 18万7656円 | フルサイズ |
α7M3+ズームレンズ | 20万2670円 | ソニーの代表的人気機種 |
α6400+高倍率ズームレンズ | 12万3999円 | センサーはAPS-C |
α6500+高倍率ズームレンズ | 12万9800円 | APS-Cのソニー最上位機種 |
近くα6500の後継機発表? | ? | ? |
今回発表されたRX100M7は動画性能が向上したため、ユーチューバーを中心に熱い視線が注がれています。
しかし、冷静に価格を比較すると、いろいろな可能性が広がるのも事実です。
ですから、買うべきか否か迷っているというユーチューバーの動画もよく目にするようになりました。
では、どうするべきなのか?
自分の懐具合と、自分は何を撮ろうとしているのか、その用途も考えた上で判断するしかありません。
ただ、今回の価格比較によって、いよいよ注目されるのがAPS-C最上位機種α6500の後継機です。
どんなスペックで登場し、どんな価格で発売されるのか、一層楽しみになってきました。