私は今年のゴールデンウィーク明けに長期のパリ滞在を予定しています。
短期間とはいえ、しばらく歴史的遺産と同居するわけですから、旅行用カメラを新調したいと考えています。
最近の海外旅行では、ソニーの高級コンデジRX100M7を携帯しています。
重さ300gという超コンパクトなカメラは荷物にならないサイズですが、1型センサーでは画質や暗所性能にも限界があります。
そのため、パリ滞在中はAPS-Cかフルサイズセンサーのカメラで歴史的遺産を撮影したいのですが、最近のパリはスリやひったくりが横行しているので、お気軽撮影できる20万円前後までの安価な機種を探しています。
現在、私が使用しているカメラメーカーは、ライカ(フルサイズ)、ソニー(フルサイズ)、フジフイルム(APS-C)ですが、まずはフジフイルムから海外旅行に最適なモデルを考えてみたいと思います。
新型X-T200は最強の旅行カメラ候補
スマホカメラの初心者から写真愛好家までカバーする機種なのか?
この記事を書こうと思っていたら、本日1月23日、フジフイルムが新型X-T200を2月27日に発売すると発表しました。

image:FUJIFILM公式ページ
X-T200は、エントリーモデルX-T100の後継機種ですが、リリースを見ると、中・上級者の需要も意識した内容となっています。
フジフイルムは公式ページで次のように述べています。(フジフイルム公式ページ)
「X-T200」は、写真のみならず本格的な動画の撮影にも最適なミラーレスデジタルカメラで、スマートフォンでの撮影からステップアップしたいユーザーから写真愛好家まで、大切な思い出を簡単に、かつ高画質で撮影して残したい方におすすめです。
X-T200は、X-T100より約80g軽量化した約370gの小型軽量ボディに、約2424万画素のAPS-Cサイズセンサーと高性能な画像処理エンジンを積んでいるということです。
俄然、海外旅行に手軽に持ち出せる最有力候補になりそうです。
果たして、X-T200が「スマートフォンでの撮影からステップアップしたいユーザーから写真愛好家まで、大切な思い出を簡単に、かつ高画質で撮影して残したい方におすすめ」なモデルになるのか、じっくり分析したいと思います。
X-T200の主な特徴は?
まずは、リリースに書かれているX-T200の主な特徴を整理します。
- センサー全面における像面位相差画素の配置とアルゴリズムの進化でAF性能が向上。優れた動体追従AFや顔・瞳AFを実現。暗所でも高速で高精度なピント合わせが可能
- センサーに銅配線を採用してデータの読み出し速度がX-T100の3.5倍に向上。ローリングシャッター(被写体の)歪みを大幅軽減
- 液晶モニターは3.5インチ・縦横比16:9の大型ワイド。一般的なスマートフォンと同等以上のタッチレスポンス性能も備える
- モニターを自在なアングルに調整できる「バリアングル構造」を採用。ハイアングルやローアングルだけでなく、顔・瞳AFと組み合わせて簡単に自撮りも可能
- センサーの全画素読み出しによって6K相当の情報を活用して4K動画を実現。4K30P、フルHD・HD動画は60P
- HDR動画撮影機能を搭載。明暗差の大きな撮影シーンでも白とびや黒つぶれを抑制、豊かな階調を再現
- フジフイルム初の「電子ジンバル」モードを搭載。ジャイロセンサーにより振動を正確に検出し、動画撮影時に生じる映像のブレを抑制
- 撮影動画の一部分を切り出せる「カット編集」機能を新採用。動画の再生時間を短縮してデータサイズを小さくできる
X-T200は重量約370gで、フジフイルムの人気機種X-T30の383gをしのぐ小型軽量モデルとなります。
しかも、X-T200にはX-30に搭載されていない機能や性能もあり、今後、X-T200がX-T30の強力なライバルとなる可能性もあります。
では、双方の違いは何か?
もう少し掘り下げていきたいと思います。
X-T200の最大の特徴はバリアングルと電子ジンバル搭載
X-T200とX-T30の比較
最上位機種とほぼ同等の性能を備えたX-T30は、小型軽量ゆえにフジフイルムを代表する人気機種でもあります。
今回発表されたX-T200はそのX-T30とセンサーの種類が異なります。
ただ、そのほかの特徴を比べると、X-T200の魅力が浮かび上がってきます。(赤字が優位)
– | X-T200 | X-T30 |
センサー | 銅配線正方画素CMOSセンサー | 「X-Trans CMOS4」センサー |
有効画素数 | 2424万画素 | 2610万画素 |
液晶サイズ | 3.5インチ | 3インチ |
液晶の稼働方式 | バリアングル | チルド式 |
手ぶれ補正 | 電子ジンバル | なし |
動画機能 | 4K30P | 4K30P |
サイズ | 121.0×83.7×55.1mm | 118.4×82.8×46.8 mm |
重量(バッテリーなど含む) | 370g | 383g |
価格(マップカメラ) | ? | 10万9500円(1月23日現在) |
X-T200はサイズ・重量ともにX-T30とほぼ同じ。価格は現時点で発表されていませんが、X-T30より安くなるのは確実です。
X-T30より価格が安いにもかかわらず、X-T200は液晶モニターが「バリアングル」。しかも、フジフイルム初の「電子ジンバル」が搭載され、GoProのように動画撮影などの手ブレを軽減することができます。
この2点に魅力を感じ、X-T30よりもX-T200を選択するユーザーが増えるかもしれません。
少なくとも、X-T200はエントリーモデルというより、初心者から中・上級者まで幅広いユーザーに対応する旅行&散歩カメラとして注目されそうです。
選択する際の注意点は何か?
本日発表されたフジフイルムのリリースをみる限り、X-T200はとても魅力的なカメラです。
AFのスピードや精度は実機を見てみないとなんとも言えないので発売日に実店舗で手にしたあと購入するのが賢明です。
ただ、フジフイルムのカメラやレンズは撮影後にがっかりするような写真を残さないので、画質や色味は心配ないと考えています。
フジフイルムが他のメーカーに劣っていたのは、手ブレ補正や液晶モニターのジンバル式を搭載したモデルが極めて少ないと言う点でした。
いまはスマホでさえ、手ブレ補正がついている時代です。
ですから、手ぶれ補正が未搭載のカメラは、問題外ともいえます。
しかし、カメラ業界が一部マニア、つまりノイジーマイノリティーに耳を傾け、サイレントマジョリティーを軽視した結果、スマホにシェアを奪われ追いつくのは不可能な状況になりました。
その意味で、X-T200に搭載されたバリアングル・電子ジンバルが、今後のフジ機にも確実に盛り込まれるかどうかに注目したいと思います。
今年は、X-T3の後継機X-T4や人気のコンデジX100Fの後継機X100Vの発売が噂されています。
すでに、X-T4には手ブレ補正が搭載されるという観測記事も出ているので、どんな内容になるのか発表が楽しみでもあります。
というわけで、海外旅行用のカメラ選びですが、フジフイルムは近く高級コンデジX100Vが発表されそうです。
私の本命はX100Vなので、次回は現行のX100Fか、それとも新型X100Vか、私が選択する際に重視している視点について解説したいと思います。
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