有効4575万画素、高画素機D850は夜のスナップ撮影に使えるのか?
Nikon D850で多用する安くて軽い単焦点レンズの紹介
ニコンといえば、世界のプロカメラマンから愛された一眼レフの一流ブランド。その一眼レフの時代も終焉し、いまやミラーレス全盛の時代だ。
それゆえ、この先、ニコンが新型の一眼レフを開発・販売するかも不明だ。もしミラーレスに全振りなら、プロ仕様のD6、高画素のD850、スタンダートなD780がニコン史における最後のレフ機ということになる。
そんなカメラ史の節目だからこそ、最後のレフ機になるやもしれないD850を入手した。D850なら広大な沼地のように存在するFマウントレンズを楽しむ母艦にもなる。そして私のAi以降のレンズは活躍の場が広がる。
日中の撮影は高精細で表現力は抜群だった。作例は前々回の記事で掲載したので、ご関心のある方はご覧になっていただきたい。
問題は暗所性能である。
画素ビッチの狭い高画素機はとかく暗所に弱いといわれる。
では、D850はどうなのか。私の用途は主にスナップ撮影だ。夜撮影も問題ない暗所性能であれば、私にとってD850は万能機ということになる。
というわけで、今回は夜の街撮影にD850を持ち出した。その作例と感想を述べたい。
廉価なf1.8レンズと「三次元的ハイファイ」のf1.4を比較
作例に入る前に、今回使用したレンズに触れておきたい。そのレンズは、すでに日中撮影で軽くて安価な割にはニコン品質の描写力を実感したf1.8のGレンズである。
ニコンの単焦点Gレンズといえば、多くのプロ写真家がf1.4の大口径レンズを推奨する。
いろいろな作例を見たが、ニコンが理想とする設計思想「三次元的ハイファイ(高再現性)」を取り込んだだけあって、確かに、そのボケ味は素晴らしい。ポートレートには抜群の表現力を発揮するはずだ。
ただ、私の用途にはf1.8で必要十分。むしろ小型軽量という点でスナップには優れていると考えた。
両者の重さと価格を比較したのが次の表である。
– | AF-S NIKKOR 50mm f/1.8 G | AF-S NIKKOR 58mm f/1.4G |
重量 | 185g | 385g |
新品(マップカメラ参考) | 2万4310円 | 18万7110円 |
– | AF-S NIKKOR 85mm f/1.8 G | AF-S NIKKOR 85mm f/1.4G |
重量 | 350g | 595g |
新品(マップカメラ参考) | 6万0000円 | 19万2850円 |
レンスの次はD850の暗所性能に移りたい。
高画素機はISO感度を上げるとノイズが目立ち、高感度耐性が問題点として挙げられる。
しかし、D850は裏面照射型CMOSセンサーの採用で受光効率を高め、優れた高感度性能を実現したという。
実際、夜の撮影で高感度性能はどうなのか?
自分の目で確かめたい。さっそく、夜の撮影に出かけた。
D850の高感度性能は?夜の街を撮影して実感したこと
「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8 G」の暗所表現力(作例)
まずは、標準「AF-S NIKKOR 50mm f/1.8 G」である。
185gの軽量コンパクトなレンズなので、D850に装着しても総重量1.2kg程度に収まる。D850のグリップが優秀なこともあって長時間撮影も苦にはならなかった。
そのカメラシステムを手に、コロナ禍ゆえにひっそりと静まり返った東京・中目黒の夜を撮影した。(ISO感度は6400、1/125秒、シャッター優先オート)
「AF-S NIKKOR 85mm f/1.8 G」の暗所表現力(作例)
続いて中望遠域の「AF-S NIKKOR 85mm f/1.8 G」をD850に装着。350gのレンズなので、総重量も1.4g以内。サイズ感も大袈裟にはならず、バランスも良い。
コロナ禍以降、ソーシャルディスタンスを考え、中望遠レンズを使用することが増えた。その中でも85mmという焦点距離は画角が狭すぎず、スナップ向きだと感じている。
85mmでの撮影は、比較的、光量が多めな場所だったので、ISO1600、1/160秒、シャッター優先オートに設定した。