お散歩スナップに最適なカメラを選考する視点
趣味カメラの選び方が大きく変わるかもしれない
カメラマニアの間ではカメラのスペックの優劣を論じる向きがあります。
ただ、私はこの2〜3年に誕生した機種は、どれもよく写るものばかりで、そろそろスペックで選ぶ時代は終わりに近づいたと思っています。
スペックで選ぶ時代が終わったあとは、自分の撮影スタイルや趣味に合ったフォルムのカメラを選ぶ時代になると考えています。
キヤノンやニコンなど伝統的なカメラメーカーは、フラグシップやハイアマ用、入門機といったカメラにランク付をしています。
しかし、ソニーはバランスの取れた標準機(α7Ⅲなど)、高画素機(α7RⅣなど)、高感度な動画適性機(α7SⅡ)、報道に適した連写機(α9Ⅱ)といった具合に、それぞれ得意分野ごとに機種を分けています。
こうしたカテゴライズは、スマホで写真や動画撮影の楽しさを覚えた人たちが、自分が進むべき趣味の方向に応じて選択しやすい商品オファーになっています。
私はiPhone11 Proを利用して感じるのは、スマホカメラの性能が向上したことで「スマホ撮影=カメラ初心者が使うもの」「一眼カメラ=カメラ上級者が使うもの」といった区分けもまた実態に合っていないと感じています。
なぜなら、被写体との距離感や携帯性などを考えると、一眼カメラよりもスマホの方が自分の撮影スタイルに合っていると考え、積極的にスマホカメラを選択しているカメラ愛好家もいると思うからです。
ですから、時代はスペックからスタイルの時代に変遷しそうな予感のする2019年でした。
では、いいカメラとは、どんなカメラでしょうか?
高スペックなカメラが溢れる現在、いいカメラとはなんぞや?
商業写真は別として、趣味カメラは極めて自己満足の世界です。
レンズを選ぶ際に、色収差や周辺歪曲がどうこうという人もいますが、人によっては「そうした写真も味」と考える人がいるかもしれません。
絵画のように抽象画が好きな人もいれば、写実的な絵画が好きな人がいるように、写りの良し悪しもまた感じ方には個人差があります。
ですから、撮影した本人が満足できれば、それでいいのです。
そして、カメラの機種選びもスペックで選ぶ人、カメラのスタイル・フォルムで選ぶ人、視点は様々です。
どんな選び方が正解か論じるのはナンセンスです。
というわけで、今回、お散歩スナップに最適なカメラを選考する際、次の5点を重視しました。
- フォルムが魅力的か
- 小型軽量で持ち出しやすいか
- 所有欲を満たしてくれるか
- 価格と性能のバランスが取れているか
- バリアングルなど多様な撮影に柔軟対応できるか
上記5点に照らし合わせて、2019年「お散歩スナップに最適なカメラ10選」を発表したいと思います。
独断と偏見で選んだスナップカメラ10選
トップは高級コンデジのソニーRX100M7
今回は2019年12月現在、中古も含めて購入できる機種から選考しました。
したがって、2019年に発売された機種に限らず、それ以前から製造・販売されているカメラが含まれています。
その意味では、真のベスト10とも言えると考えています。
- ソニーRX100M7(1型センサー・コンデジ)
- 富士フイルムX100F(APS-Cセンサー・コンデジ)
- ソニーα6600(APS-Cセンサー・レンズ交換式)
- ライカC-LUX(1型センサー・コンデジ)
- オリンパスPEN F(マイクロフォーサーズ・レンズ交換式)
- ニコンZ 50(APS-Cセンサー・レンズ交換式)
- 富士フイルムX-T30(APS-Cセンサー・レンズ交換式)
- 富士フイルムX-E3(APS-Cセンサー・レンズ交換式)
- リコーGRⅢ(APS-Cセンサー・コンデジ)
- キヤノンG5 X Mark II(1型センサー・コンデジ)
このほか、富士フイルムのX-T3やソニーα7Ⅲ、ライカQ2は惜しくも次点でした。
いずれもお散歩に気軽に持ち出すにはややサイズが大きかったり、高額すぎると言う点で、他のベスト10入りしたカメラに劣ると判断しました。
2位以下は混戦!富士フイルムX100Fが2位に食い込む
では、具体的な採点結果を発表したいと思います。
重視したのは、前述したように次の5点でした。
- フォルムが魅力的か
- 小型軽量で持ち出しやすいか
- 所有欲を満たしてくれるか
- 価格と性能のバランスが取れているか
- バリアングルなど多様な撮影に柔軟対応できるか
では、ご覧ください。
フォルム | 小型軽量 | 所有欲 | 価格と性能 | 柔軟機能 | 合計 | |
RX100M7 | 4 | 5 | 5 | 4 | 5 | 23 |
X100F | 5 | 4 | 5 | 4 | 2 | 20 |
α6600 | 4 | 4 | 4 | 3 | 5 | 20 |
C-LUX | 5 | 5 | 5 | 3 | 2 | 20 |
PEN F | 5 | 4 | 4 | 2 | 5 | 20 |
Z 50 | 4 | 4 | 3 | 4 | 4 | 19 |
X-T30 | 4 | 4 | 4 | 4 | 3 | 19 |
X-E3 | 4 | 4 | 3 | 5 | 2 | 18 |
GRⅢ | 4 | 5 | 3 | 4 | 2 | 18 |
G5 X Mark II | 4 | 5 | 2 | 3 | 3 | 16 |
ご覧のように、ソニーRX100M7が2位以下に3点差をつけて文句なしのトップでした。2位以下は採点が並びましたので、最終的には総合的に判断しました。
ソニーRX100M7は300gという圧倒的な小型軽量で、180度チルド式モニターに手ぶれ補正を搭載。AF性能や連写性能はα9同等というわけですから、コンデジと言っても、その辺の高級ミラーレス一眼をしのぐカメラです。
しかも、焦点距離は24〜200㎜までカバーしているので、お散歩カメラには不自由しない内容です。
以下の記事はRX100M7を片手に散歩した際の写真ですが、文句なしの写真ばかりでした。
いまやカメラはスペック以上にフォルムが重要だ
2位以下は小型軽量でフォルムの美しいカメラが独占
お散歩カメラは小型軽量でなければ話になりません。
大袈裟なカメラでは道ゆく人たちから警戒され、多くの視線に晒されてしまいます。
同時に、やはりスタイルの良いカメラを持ち歩きたいものです。
着飾るようにカメラを片手に持って、さりげなく撮影する。これがスナップの基本だと考えています。
その意味では、2位に入った富士フイルムX100Fのフォルムは秀逸です。
レンズは35㎜(35㎜判換算)の単焦点ですが、50㎜や70㎜にクロップして拡大することも可能です。
ちなみに、私はボディ全体がブラックが好みなので、次に欲しいNo.1のカメラがX100Fのブラックです。
ただ、近く新型機種が登場するという噂もあるので、その進化ぶりを確認したうえで、新旧どちらを選ぶか決めたいと思っています。
4年前の機種・オリンパスPEN Fが健闘した理由
2位以下では、2016年1月、つまり4年近く前に発売されたオリンパスPEN Fが5位に入りました。
この機種は圧倒的にフォルムが素晴らしい。
雰囲気はフィルム時代を彷彿とさせるクラシック調でありながら、モニターはバリアングル液晶です。
あるユーチューバーがPEN Fを片手に北欧を旅しながら静止画だkでなく、動画撮影にも利用しているのを見て、スタイルだけでなく、その利便性の秀逸さも感じさせた機種でした。
現在、PEN Fの製造はストップしているため、新品では買えない状況です。
ただ、会社オーナーの端くれとしては、オリンパスは他の機種に研究開発費を投じるより、全力でPEN Fマーク2を開発する方が優れた経営判断だと感じます。
さらに、6位にはニコンZ 50が入りました。
この機種はレンズも含めたシステムが小型軽量で、価格と性能のバランスも良かったので、発表直後に詳しく紹介しました。
発売後は良く売れているようです。(参考:「ニコンのZ 50が2週連続1位!週間ミラーレス一眼売れ筋ランキング 2019/12/11」)
今回の選考は、あくまで私自身の好みで選んだカメラです。
ベストなカメラは10人10色だと思います。
読者の方々も「私のベスト10」は何か?コメントしていただければ、めっちゃ、うれしいで〜す。(どこかで聞いたようなフレーズですが・・・)
というわけで、2019年12月現在、お散歩スナップに最適なカメラ10選でした。
コメント