小型軽量X-S10はX-T4並みの性能とグリップが魅力!コンパクトな高性能カメラの競争本格化

CAMERA COLUMN
image:フジフイルム公式サイト
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スマホ時代の小型軽量なカメラ選びとは?

X-S10やα7Cが誕生した今日的意味とは?

入門機がカメラ離れを加速する時代

最近、フジフイルムが入門機をディスコン(生産終了)にしているという噂がある。

理由は売れないからだという。

本当かどうか分からないが、本当だとしたら英断である。

数万円も払って下手な入門機を買うくらいなら、カメラ性能が大幅進化したスマホを購入した方が使用回数も増えてコストパフォーマンスも高い。

カメラメーカーの基本戦略は、安い入門機で初心者を誘い込んだあとに高額な上位機種を買わせるというものだ。

しかし、この戦略はスマホの進化で変更を迫られているのではないか。

なぜなら、最近は過去のフラッグシップ機を中古で購入し、カメラの面白さに引き込まれて最新の上位機種にステップアップする人が少なくないからだ。

カメラメーカーの苦境が伝えられるが、大手の中古カメラ販売店は堅調だ。安く憧れのカメラを中古で手に入れる消費文化が急速に進んでいる。最近は「メーカー滅びて中古屋栄える」と揶揄する声があるほどだ。

一方、新品なのにチープな入門機から始めた人は所有する喜びの希薄さとAFのお粗末さに愛想をつかし、上位機種ではなく高性能スマホに走るのではないか?

スマホはカメラ機能を使わなくなったとしても通信機能という本来の用途が残る。カメラよりもリスクは少ない。

それを知ってか知らずか、ソニーは上位機種や下位機種といったカメラにヒエラルキーを設けず、スタンダートな無印、高画素のR、動画中心のS、動きものに強い9シリーズといった具合にジャンル別に機種分けをしている。

一方、一眼レフで栄えた伝統的カメラメーカーは、機能や性能、ボディ品質の優劣で機種ヒエラルキーを設け、上位機種への憧れを煽ることで乗り換えをすすめてきた。

その結果、何が生じたか?

入門機に失望した消費者のカメラ離れを加速した

もはや、カメラのヒエラルキー戦略は時代遅れ。見直す時期に来ていると思う。

それゆえ、フジフイルムの入門機ディスコンの噂を知って「消費者の動向が見える賢明な企業だ」と感じたのだ。

X-S10は非ヒエラルキー時代の先駆的機種

というわけで、今回の本題である。

そのフジフイルムが小型軽量でグリップを深くし持ちやすくしたX-S10を発売した。

フラッグシップのX-T4に劣る点は、ざっくり言うと、動画性能が4K60Pではなく4K30Pに止まる点と、ファインダー程度。いずれも、写真の写りに関係ない部分だ。

むしろ、フジフイルム自慢のフィルムシミュレーションは同じで、バッテリーも含めた総重量は465gと小型軽量、フラッシュも内臓している点を考えると、X-S10は魅力的だ。

しかも、発売時の価格は約12万円。すでに11万円台の販売店もある。

私はX-T4のユーザーだが、唯一欠点はグリップだと感じていた。

しかし、X-S10はグリップという欠点を改善し、価格も半分近くに設定してきたのだから、これは人気が出そうな機種だと直感した。

正直言って、X-T4とX-S10が同時発売されていたら、私はX-S10を選択していた。

現在のフラッグシップX-T4と新発売のX-S10を比較したのが下記の表だが、X-S10のコストパフォーマンスの良さは極めて高い。(価格は11月26日現在)

機種名X-S10X-T4
発売日2020年11月19日ブラック: 2020年04月28日、シルバー: 5月21日
価格(マップカメラ)11万8000円20万2455円
イメージセンサーAPS-C(23.5×15.6mm X-Trans CMOS 4 裏面照射型)
画像処理エンジンX-Processor 4
画素数2610万有効画素
ISO常用: 160-12800、拡張: 80-51200
連写電子シャッター: 約20・10コマ/秒、メカシャッター: 約8コマ/秒電子シャッター: 約20コマ/秒、メカシャッター: 約15・10・8コマ/秒
オートフォーカス方式コントラストAF+像面位相差AF(インテリジェントハイブリッドAF)、最速約0,02秒、顔認識、測距点117点(AFエリア最大425点)、
低照度限界像面位相差AF: EV-7、コントラスト: EV-4像面位相差AF: EV-6、コントラスト: EV-3
ファインダー0.39型 有機ELファインダー (約236万ドット/視野率100%/35mm換算の倍率0.62倍/アイポイント約17.5mm)0.5型 有機ELファインダー (約369万ドット/視野率100%/35mm換算の倍率0.75倍/アイポイント約23mm)
モニター3インチ (約104万ドット)3インチ (約162万ドット)
可動式モニターバリアングル式 タッチパネル
シャッタースピードメカニカル: 1/4000-30秒、バルブ撮影(最長60分)メカニカル: 1/8000-30秒、バルブ撮影(最長60分)
撮影時間4K 30p/フルHD 60p時: 連続最大約30分まで4K 60p時: 連続最大約20分まで、4K 30p時/フルHD 60p時: 連続最大約30分まで
ボディ内手ブレ補正最大6.0段分(センサーシフト方式5軸補正)、動画時: 電子防振、ブレ防止モードブースト、「X-T4」の手ブレ補正ユニットから約30%の小型軽量化最大6.5段分(センサーシフト方式5軸補正)、動画時: 電子防振(画面が10%クロップ)、ブレ防止モードブースト
内蔵フラッシュフラッシュ内臓
防塵防滴仕様○(-10℃耐低温性能にも対応)
フィルムシミュレーションなどETERNAブリーチバイパス(銀残し)など全18モード、カラークローム・エフェクト、クラシックネガ、カラークロームブルー、ACROS、グレイン・エフェクト(粒度対応)
メモリーカードシングルSDスロット(SDXC UHS-I)デュアルSDスロット(SDXC UHS-II)
バッテリーNP-W126SNP-W235
126mm134.6mm
高さ85.1mm92.8mm
奥行き/厚み65.4-32.9mm63.8-37.9mm
質量/重さ415g、465g(総重量)526g、607g(総重量)

ストリートスナップや旅行撮影には小型軽量でグリップが持ちやすく、フラッシュも内臓されているX-S10の方が利便性は高い。

吐き出す写真が同じで、価格も格段に安いのだから、X-S10に購買意欲を掻き立てられている人は多いのではないかと思う。

小型軽量なカメラの開発競争が本格化!今後の注目点は?

小型軽量カメラを選ぶ際に重要な注意点

image:FUJIFILM公式サイト

X-S10の登場によって、小型軽量で高性能なカメラの開発競争が激しくなるかもしれない。

すでにソニーが長年大人気を誇ってきたα7Ⅲと同じセンサーを積んだ小型軽量フルサイズα7Cを発表している。フルサイズなのにAPS-C(α6000シリーズ)並みのサイズ感というコンセプトに魅力を感じた消費者は多く、発売早々、売り上げトップに躍り出た。

α7Cもまた、X-S10と同様、既存の代表機種に比べて機能・性能を著しく低下させていない。私も購入したが、小型軽量といった携帯性は当然だが、AFの感触や画質などスペック表に現れない部分で向上していると感じた。

クラシカルなレンズとの親和性も含めて趣味カメラとして、とても満足な機種だった。

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しかも、高性能なレンズを世に送り出しているシグマがα7Cの登場に歩調を合わせるように、コンパクトで高級感のあるレンズを3種類(65㎜、35㎜、24㎜)発表する予定だという。

これまで、α7Cに似合う小さなAFレンズは純正かタムロンが主体だったが、シグマの本格参入でさらに選択肢が広がる。

小型軽量な本格カメラの売れ行き次第では他のメーカーも黙っていないだろう。おそらく追随すると思う。

ただ、小型軽量なカメラを選択する場合、必ず念頭に入れておきたいことがある。

それはボディに見合った小さなレンズがどれだけ用意されているかということである。

いくらボディが小型軽量化されても、レンズが巨砲であれば、本末転倒だ。

F値の明るさと重さは比例する。しかし、ISO固定のフィルム時代とは違って、デジタル時代の現在、ISO感度を自由に変えられ、高ISOでもノイズが少なくなった。

F値にこだわって重くて大きなレンズを選択する必要はない。小型軽量なカメラにはF値が暗めでも小ぶりでデザイン性に優れたレンズを選択するのが粋である。

サードパーティを含めて、小粋なレンズが揃ったメーカーのカメラを選びたい。

X-S10の真のライバルはX-E4ではないか!Eシリーズに時代の趨勢が近づいてきた

FUJIFILM X-E3

現在は手元にないが、かつて私はX-E3のハードユーザーだった。

ボディ重量がわずか287g、これに78gのパンケーキレンズ「XF27mmF2.8」をつけてスナップに持ち出していた。

ただ、高級コンデジX100V購入と同時に、用途がかぶるX-E3を手放した。

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しかし、「カメラあるある」だが、手放してから、コンパクトでレンズを交換できるX-E3の素晴らしさを再認識している。

来年早い時期に、X-E3の後継機が発売されるという観測記事を読んだ。しかも、設計が古く「ギーコギーコ」とAF作動音のうるさい「XF27mmF2.8」の新型レンズも同時発売されるという。観測が本当であることを期待したい。

一時期、X-Eシリーズはディスコンという噂記事を目にしたことがあった。しかし、いまや、Eシリーズのような小型軽量カメラこそ、時代の要請なのだと思う。

当ブログは、当初から、趣味カメラに最も重要なのは携帯性であり、カメラはスペックで選ぶ時代は終わりつつあることを強調してきた。

X-E3の後継機X-E4はサイズ感と軽さを維持してくれたら驚くようなスペックは不要だ。手振れ補正を加えただけで夜スナップにも不満を感じない魅力的なカメラになるはずだ。

私の知る限り、フジフイルムファンには「X-E4が大本命だ」と待ち焦がれている人は多い。

正直、発売を急いで欲しいと思う。

というわけで、ソニーがα7C、フジがX-S10、そして来年初めにはX-E4と、スナップを楽しむカメラファンにとっては魅力的な小型軽量カメラが増えてきそうだ。

威圧感を与えず、持ち出しやすい高性能カメラは大歓迎だ。

「小さいは正義」。

もう、入門機は、いらない。

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