富士フイルムがAPS-Cミラーレスカメラの中心モデル・新型X-T4のスペックを正式発表しました。
X-T4は早速2月28日午前10時から予約受付が開始され、4月には発売するということです。
新型X-T4は、現行X-T3やライバルのソニーα6600と比べて、なにが優れているのか、さらにAPS-C最強はどのカメラなのか、徹底分析しました。
新型X-T4はX-T3の動画機能強化モデル
ユーチューバーも大注目するX-T4の基本スペック
富士フイルムが発表したX-T4の主な特徴は次の通りです。
- 世界最速15コマ/秒の高速連写と最短約0.02秒のAFにより決定的な瞬間を捉える
- ボディ内手ブレ補正機能などの搭載により快適な撮影をサポート
- 独自の色再現技術などにより卓越した写真画質を実現
- 充実の動画撮影機能を搭載
オートフォーカスをソニーα9水準の0.02秒に進化させ、強力なボディー内手ブレ補正やバリアングルを搭載。写真撮影も動画撮影にも魅力的なモデルに仕上がっているようです。(参考:富士フイルムのニュースリリース)
発表されたスペックは概ね事前にリークされていた内容と一致しています。詳しくは先日、記事化していますので、そちらを参考にしてください。
最近は旅行や運動会でも一眼カメラ一台でスチール撮影とビデオ撮影をこなすライフスタイルがすっかり定着しつつあります。
また、プロの現場でも、クライアントから静止画だけでなく動画も合わせて撮って欲しいという要望が増えています。
新型X-T4は「バリアングル」「ボディ内手ぶれ補正」「バッテリーの大容量化」というスチール撮影と映像撮影に欠かせない機能を全盛で搭載し、ファミリーやプロ、さらにはユーチューバーのニーズにも十分応えたモデルといえます。
静止画に関して現行モデル「X-T3」も4K60Pの動画撮影を可能にするなど相当高いレベルですが、X-T4はそれ以上に万能感の高いモデルです。
では、X-T3と比べて、何が進化したのか、具体的にみていきたいと思います。
「X-T4」vs「X-T3」 主なスペック比較
現行モデルX-T3とのスペックを比較したのが下記の表です。
– | X-T4 | X-T3 |
センサー(APS-C) | X-Trans CMOS 4 | X-Trans CMOS 4 |
画素数 | 2600万画素 | 2600万画素 |
ファインダー | 369万ドット有機EL | 369万ドット有機EL |
液晶バネル | 3インチ162万ドット・タッチパネル | 3インチ104万ドット・タッチパネル |
連写 | 15コマ/秒(メカシャッター) | 11コマ/秒(メカシャッター) |
ボディ内手ぶれ補正(IBIS) | 5軸・最大6.5段分 | × |
4K動画 | 60P・最大20分、30P・最大30分 | 60P・最大20分、30P・最大30分 |
液晶モニター | バリアングル | 3軸チルト |
SDカードスロット | ダブルスロット | ダブルスロット |
バッテリー | NP-W235 | NP-W126S |
バッテリーライフ | NP-W126Sバッテリーの1.5倍、500-600枚 | 液晶モニタ使用時、390枚 |
サイズ | 134.6 x 92.8 x 63.8mm | 132.5×92.8×58.8mm |
重さ(ボディのみ) | 526g | 489g |
(バッテリー等含む) | 607g | 539g |
発売時の初値 | 1700ドル(20万円前後?) | 17万8787円(2018年9月) |
実勢価格 | – | 15万7840円(マップカメラ) |
目に付くのは、X-T4は手ぶれ補正を搭載し、バッテリーライフも1.5倍増に大容量化したという点です。
ボディ内手ブレ補正は静止画と動画、どちらの撮影にも恩恵を与えてくれます。
私はスポーツ競技の夜間撮影の際、X-T3は手ブレ補正が効かないためにシャッタースピードを速めることができず、四苦八苦したことがありました。
しかし、X-T4は手ブレ補正が強力なので、暗所撮影でも撮れ高の高いモデルになりそうです。
X-H1を見ても分かる通り、富士フイルムの手ぶれ補正は優秀なので、X-T4のボディ内手ブレ補正も楽しみな点です。
こうした機能強化のトレードオフとして、X-T4はX-T3より重量がやや増えますが、「ボディ内手ブレ補正」「バリアングル」「バッテリー大容量化」の三拍子を加えても、約60gの増量に抑えたのはすごいことです。
次に、ソニーが誇るAPS-Cセンサーのフラッグシップα6600と比較したいと思います。
頂上決戦!富士フイルム「X-T4」vs ソニー「α6600」
富士フイルム「X-T4」とソニー「α6600」のガチンコ勝負
ソニー機といえば、オートフォーカス(AF)の速さでは他メーカーに敵なしの状態です。
とくに、フルサイズのα9、APS-Cのα6600、1型センサーのコンデジRX100M7は、世界最速となる0.02秒の高速AFを実現し、カメラユーザーの度肝を抜きました。
しかし、今回、富士フイルムが発売するX-T4は、新アルゴリズムの採用と位相差AFの処理能力向上で、同じ0.02秒を実現。さらにAF追尾の成功率はX-T3の2倍に進化、顔認識や瞳認識のAF性能も劇的に改善したということです。
富士フイルムがX-T4でソニーのAF性能に追いついたというわけです。
では、AF以外のスペックについて、「X-T4」はソニー「α6600」と比べて優っているのでしょうか?
両者のスペックや価格を徹底比較してみましょう。
X-T4はプロユースも視野にハイレベルな機能と性能
富士フイルム「X-T4」とソニー「α6600」のスペックや価格を比較したのが、下記の表です。
– | X-T4 | α6600 |
センサー(APS-C) | X-Trans CMOS 4 | Exmor CMOSセンサー |
画素数 | 2600万画素 | 2420万画素 |
ファインダー | 369万ドット有機EL | 236万ドットの有機EL |
液晶バネル(3インチ) | 162万ドット・タッチパネル | 92万ドット・タッチパネル |
連写 | 15コマ/秒(メカシャッター) | 11コマ/秒(Hi+) |
ボディ内手ぶれ補正(IBIS) | 5軸・最大6.5段分 | 5軸・5段分 |
4K動画 | 60P・最大20分、30P・最大30分 | 60P非対応、30P(30分制限なし) |
液晶モニター | バリアングル | 180度チルト |
SDカードスロット | ダブルスロット | シングルスロット |
バッテリー | NP-W235(大容量化) | NP-FZ100 |
バッテリーライフ | 500〜600枚 | 約720枚 |
サイズ | 134.6 x 92.8 x 63.8mm |