M型ライカユーザー必携の大口径レンズ!コシナの「NOKTON 50mm F1.2 Aspherical VM」は優れた和製ノクチルックスだった(作例あり)

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「NOKTON 50mm F1.2」と「Noctilux-M 50㎜ F1.2 ASPH. 」の比較

高感度性能が向上したデジタル時代に大口径レンズは本当に必要なのか?

フィルムカメラで仕事していた頃、F値の明るい大口径レンズは憧れだった。

とくに、レンズを通した画像が見える一眼レフだと、F値の明るさはファインダーの見え方に影響したからだ。大口径だと明らかにファインダーが明るい。明るいということはフォーカシングが楽だし、気持ちも良い。

それゆえ、フィルム時代、国内外のメーカーが大口径レンズの開発競争を繰り広げたのは、ある意味、当然の成り行きだった。

しかし、いまはミラーレスの時代だ。適度な明るさに修正された被写体を我々はファインダーで見る。たとえF値の暗いレンズであっても問題はない。さらに、M型ライカはレンズを通して被写体を見ているわけではないから、F値が見え方に関係ない。

ISO感度もフィルムはISO400やISO800がせいぜいだったが、最近のデジカメはISO3200や6400まで上げてもノイズも少なく実用範囲内だ。

先ごろ話題になったペンタックスの一眼レフK-3 MarkⅢに至っては、撮影感度がISO100~1600000。ゼロが多すぎて、一瞬、訳がわからなくなるが、最大160万である。さすがにISO160万の作例を見ると、使えるものではないが、それでもISO12800まではまあまあ使えそうだ。

それでも、最近、大口径レンズが注目されているのは「よくボケるし〜、雰囲気あるし〜、モエるし〜、SNSで”いいね”もらえるし〜」といった「ボケ症候群」が蔓延しているためである。

ただ、そんなにボケが欲しいのなら、安い望遠レンズや中望遠で撮影したらいい。よくボケる。ボケのために数十万円の高額レンズを買うのはメーカーの術中にハマったようなものだ。

だから、私は基本的にF1.4以下のレンズには、ヤスヤスとは手を出さない信念で生きてきた。(←だいぶ大袈裟)

私の保有するF1.2の大口径レンズ

ちなみに、私はF1.4のニコンやライカレンズを所有しているが、私の用途には、それ以上に明るいF1.2やF0.95は不要だ。

ただ、今年初め、F0.95については安くて高級感抜群の銘匠光学「TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH」を購入してみた。その感想は以前、記事にしているので参考にしてほしい。

銘匠光学「 TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH」は期待以上の描写力だった!安価であっても中華レンズは侮れない!(作例あり)
「 TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH」は中国メーカーの台頭を象徴するレンズ 初の中華レンズ!「TTArtisan 50mm f/0.95 ASPH」を購入した理由 晴れてM型ライカのオーナーになったものの、ライカ純正レンズの恐ろしい金額を前に、購入のための金策や純正レンズに代わる代替策をあれやこれやと思案している人は多いのではないかと思う。 私もその一人である。長期保有していた株を利益確定するなどして、何とかレンズ資金を調達している状態だ。常用レンズならば、多少高額でも頑張って購入するが、年に数回ほどしか使わず、防湿庫の老名主になることが予見されるレンズは見送っている。 そ...

そんな私が今年、F1.2のレンズを2本購入した。

理由は2つ。ひとつは大口径レンズを買いもせずに不要論をぶっても説得力がない。もう一つは、私の好奇心が勝手にポチってしまったのだ。私には冷静な私と、好奇心旺盛な、もう一人の私がいる。今回買ったのは後者の私。20年近く保有している株式の配当金を主な購入原資にあてている。

1本目はライカの「Noctilux-M 50㎜ F1.2 ASPH. 」、いわゆる復刻ノクチ。100万円近いので、万人におすすめできる代物ではない。無謀な買い物は散財ぐせを生み、人生を壊しかねない。

美人の奥さんとヒルズに住んで愛人もつくって金に糸目をつけず散財し、いまは行方知れずの人もいる。そんな人たちを数多く見てきた。お金は稼ぐこと以上に使い方が難しい。ご自愛、いただきたい。

もう一本は、コシナの「NOKTON 50㎜ F1.2 Aspherical VM」。こちらは復刻ノクチのおよそ9分の1の値段。少し頑張れば、手が届く。健全なレンズだ。

というわけで、今回は、そのコシナの「NOKTON 50㎜ F1.2 Aspherical VM」をフォーカスしたい。

「NOKTON 50㎜ F1.2」と「Noctilux-M 50㎜ F1.2」のスペック比較

右が「NOKTON 50㎜ F1.2 Aspherical VM 」。左が「Noctilux-M 50㎜ F1.2 ASPH.

では、価格差9倍のF1.2大口径レンズを比較したい。

基本的なスペックを比較した。

NOKTON 50㎜ F1.2 Aspherical VM Noctilux-M 50㎜ F1.2 ASPH. 
発売日 2018年9月 2021年2月
レンズ構成 6群8枚 4群6枚
絞り羽根枚数 12枚 16枚
最短撮影距離 0.7m 1m
フィルター径 52㎜ 49㎜
最大径×長さ 63.3×49㎜ 61×52㎜
重量 約365g 約430g
価格(Map Camera) 11万2160円 94万0500円

ご覧のように、「NOKTON 50㎜ F1.2」は、復刻ノクチより軽くて寄れるレンズとなっている。一方、復刻ノクチはフィルター径が少し小さく、絞り羽根の枚数が多い。描写にどんな違いがあるのか、今後、時間をかけて勉強していきたい。

一方、手にした高級感だが、正直なところ、変わらない。私の趣味的に、NOKTONのフィルター径が銀色で縁取られているのは好きではない。むしろ、シンプルに黒で良かったのではないか。

いずれにしても、復刻ノクチが登場したことによって、2018年に登場したNOKTONに再び光が当たったのだから、ある意味、復刻ノクチは恩人である。

その恩人に報いるには、描写力を見せつけることだ。というわけで、このレンズをLeica M10-Pに取り付けて、昼と夜、撮影に出かけた。

「NOKTON 50㎜ F1.2 Aspherical VM」は昼夜使える万能レンズか

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厚い雲に覆われた週末の恵比寿をスナップした(日中撮影)

大口径レンズといっても普通に写らないと意味がない。

世の中には明るいだけで、よく写らないレンズもあるにはある。しかし、それは好事家の遊び道具であって、ドキュメンタリー撮影には使えない。

今回、Leica M10-Pと「NOKTON 50㎜ F1.2 Aspherical VM」という撮影システムは、スナップや旅行といった日常の撮影で過不足なく描写してくれるかどうかを試したかった。

そのため、まずは日中、コロナ禍の中でも若い人たちが行き交う週末の恵比寿を撮影した。

次は背景ボケの雰囲気を確かめるために撮影した2枚。

このへんで休憩しましょうか。

日中なので、F4〜5.6付近で撮影した。天気はあいにくの曇り空。いまにも雨がこぼれ落ちてきそうだった。

空を見上げて撮ったのが次の写真。雲の濃淡、階調表現も素晴らしかった。

最後にF1.2開放で撮影した。絞り開放でも解像感が極端に悪化しないレンズだった。

日中、標準的なF値を中心に撮影したが、実に素晴らしい描写だった。四隅の解像感も満足だった。というか、極めて近代レンズ的な表現力だと感じた。

次は、大口径レンズが最も力を発揮するであろう、夜の撮影に臨んだ。

コロナ禍で静まり返った祐天寺を撮影した(夜間撮影)

夜間撮影したのは、コロナ禍の緊急事態宣言で静まり返った東京・祐天寺。一部外食や持ち帰りOKのお店以外、飲食店は店を閉じていた。

街灯や車のライト以外の光を探し、見つけてはシャッターを切る、そんな撮影だった。なお、この夜間撮影はほとんどF1.2開放で撮影した。

撮影者:Leica M10-P + NOKTON 50㎜ F1.2 Aspherical VM

撮影補助:さきょう

撮影を終えて

コシナが生産・販売している「NOKTON 50mm F1.2 Aspherical VM」の表現力はどうだったろうか。

今回撮影に使用した「NOKTON 50mm F1.2 Aspherical VM」はもちろんmade in Japan。価格の割には高級感もある。作例を見ていただいた通り、描写も昼夜双方で使える良質なレンズだった。

夜間はF1.2まで使えるので、やはり心のゆとりがある。開放で撮影した絵は、背景ボケも美しく、文句はなかった。とくに感心したのが日中の描写力。四隅も崩れることなく、高精細で透明感のある画質だった。

私のように「明るいレンズは不要だ」という人であっても、こうしたレンズは1本常備しておいても損はないと思う。

このレンズはライカMマウントだが、アダプターを利用して、ソニーEマウントやニコンZマウントで利用すれば、ユニバーサルマウントのレンズの如く、幅広いカメラ機材で撮影できる。

絞れば抜群の描写力、夜撮影はF1.2の明るさで力を発揮する。それでいて大口径レンズにありがちな「大きくて重い」という類のレンズではない。わずか365gなのである。

そんなレンズが新品で10万円余り、中古だと9万円台で買えてしまうのだから、これは良心的な「和製ノクチルックス」である。

 

撮影に使用した機材

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