フジフィルムのカメラはX-T3、X-T30、X-E3の3台体制
X-T3は2018年のベストミラーレスカメラ
先日、フジフィルムのX-T3を購入した。
海外の大手映像機器サイトcinema5Dが2018年ベストミラーレスカメラ(全カテゴリー部門)にX-T3を選んだ。ソニーα7Ⅲではなく、X-T3が選ばれたことに驚いた人も多いと思う。
X-T3は2018年9月20日に発売されているので、すでに発売以来7ヵ月以上たっている。にもかかわらず、ASP-Cサイズのカメラとしては最強と言われている所以でもある。
私は4月にX-T3の弟分ともいえるX-T30を購入している。このため、続けてフジフィルムのカメラを買ったことになる。
X-T30は噂通りの超コンパクトでありながら、画質・機能ともに非常に優れた機種だ。
にもかかわらず、なぜ、X-T3も追加購入したのか、その理由から始めたい。
X-T30に続いてX-T3も追加購入した理由とは?
私は、この数年、娘の大学ラクロス競技を撮影している。
昨年は、X-T20とフジノンレンズ XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR+テレコンバーター XF1.4X TC WRで撮影した。
「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」は、フジフィルムの望遠フラグシップレンズだけあって、どの写真もぶれることなく、素晴らしい画質だった。
X-T20というカメラも費用対効果の高い秀逸なカメラなのだが、X-T3と同じ新たな高速画像処理エンジン「X-Processor 4」を搭載したX-T30の魅力に負けて買い換えた。
ただ、ひとつだけ気がかりなことがあった。
激しく動くラクロス競技を手持ちで撮影する際、やはり、X-T30では大きなレンズとのバランスがいまひとつだった。
やはり、今年は望遠レンズとのバランスを考えてX-T3も追加購入した次第である。
私はフルサイズはソニーα7Ⅲを使用している。
キャノンやニコンもフルサイズミラーレスカメラを発表したが、20万円台で購入できる機種としては、いまだに、このα7Ⅲ一択だと思う。
実際、昨年2月に発売され、1年以上経過しているというのに、いまだにα7Ⅲがキャノンやニコンのフルサイズを抑えて売れているというのは、その秀逸さを物語っているといえる。
しかも、ソニーはファームウェアによって、AF機能を向上させ、カメラの機能・性能に古さを感じさせない企業努力もうかがえる。
フルサイズミラーレス市場におけるソニー天下は当分続くと思わせる。
さて、そのα7ⅢとフジフィルムX-T3を握ってみた感触について触れておきたい。
これは両メーカーが発表したサイズと重さは以下の通りだ。
X-T3 | α7Ⅲ | |
サイズ(幅×高さ×奥行き) | 132.5×92.8×58.8mm | 126.9×95.6×73.7mm |
重さ(バッテリーなど除く) | 489g | 565g |
X-T3がやや横に広く、グリップは薄い。重量はα7Ⅲが重い。
X-T3 | α7Ⅲ |
しかし、握った感触はややX-T3の方が心もとない感じがする。それはグリップの薄さが原因だ。
このため、X-T3hには純正のハンドグリップ(MHG-XT3)を装着した。すると、俄然、手にした感触がしっくりくる。
これだったら、フジノンレンズ XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR+テレコンバーター XF1.4X TC WRを装着しても、手持ち撮影は問題なさそうだ。
双方の画質はどうかという野暮なことは書かないでおく。
このレベルになると、どちらの画質が好きか、人それぞれだ。
モネとダビンチと、どちらの絵が美しいか、比較するようなものだ。歌手でいえば、松任谷由実と宇多田ヒカルは、どちらが歌が上手いか、本気で比較する人はいないだろう。
X-T3が描き出す画とα7Ⅲが描き出す画、どちらの世界観も私は好みだ。あえて言えば、フジフィルムの方が情緒的というか、ライカが描く画に近いと感じる。
フジフィルムX-T3とX-T30の兄弟対決!
次は、X-T3とX-T30というフジフィルム兄弟対決だ。
まずは、双方の違いを比較したのが次の表である。
– | X-T3 | X-T30 |
価格 | 14万円台 | 10万円台 |
サイズ | 132.5 × 92.8 × 58.8 mm | 118.4 x 82.8 × 46.8mm |
重量 | 539g | 383g |
液晶モニター | 3インチ・104ドット・3方向チルト | 3インチ・104ドット・2方向チルト |
ファインダー | 369万ドット OLED 0.75倍 | 236万ドット OLED 0.62倍 |
フラッシュ | – | 内臓 |
防滴防塵 | あり(耐低温・マグネシウムボディ) | なし |
動画 | 4K30P(全画素読み出し) 4K60P(クロップ) |
4K30P(全画素読み出し) |
F-Log内部記録 | 4:2:0 10bit | 4:2:0 8bit |
カードスロット | デュアル | シングル |
価格は5月1日現在の価格COM最安値・重量はバッテリー含む |
小型軽量でフラッシュも内臓されているのがX-T30。防滴防塵の強固なマグネシウムボディで、4K60Pの動画まで撮れてしまう高機能カメラがX-T3ということになる。
X-T3がX-T30の上位機種なのだから、価格相応の差があるのは当然である。
ただ、ユーザーがどんな場面で利用するかによって、カメラの位置付けも異なってくる。
とくに、X-T30はX-T3とほぼ同じ性能が盛り込まれているのに小型軽量で、普段、持ち歩くのが億劫でないという点が最大の特徴だ。
一方、X-T3はニコンやキャノンが初めて発売したフルサイズミラーレスに搭載できなかったデュアルスロットを備えている。ハイアマからプロユースも意識しているようだ。
もうひとつ、X-T3は液晶モニターが3方向チルトになっている点は地味に便利だ。縦位置で低いポジションから撮影する時、3方向チルトが被写体を見えやすくしてくれる。
総合的に判断すると、普段使いはおそらく小型軽量なX-T30になりそうな予感がする。
ただ、これはあくまで私の用途である。
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